形の無い世界 
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15
昴「透明

」
陣「
と、透明~~~っ

」
伊能「あ~ははははははっ

力もなく、無能な能力者が、
私に逆らうからだ
くくくくくくくくっ・・・。」
大きな道路には、見るも無惨な透明が・・・。
透明を引いてしまったトラックも、
側道のフェンスに激突し、
前面が大破している
伊能「さてと、次は誰かな

私の幻術にはまって、身動きができない
そこのお二人さんには、あの馬鹿な能力者と
同じ末路でも辿っていただきましょうか

」
昴「・・・・・。」
陣「・・・・・。」
伊能「

」
昴と陣は、伊能を見てはいない・・・。
伊能「
貴方たち
どこを見て 
」
昴と陣の視線は、無惨に倒れている透明先生に
向けられていた・・・。
伊能「・・・・・

」
突然の殺気に、伊能が振り向く
伊能「ば、馬鹿な


」
その物体は、ゆっくりと身体を起こし、伊能に向かって
進んでゆく・・・

伊能「こ、こいつ

不死身なのか

」
透明「・・・・・。」
ゆっくりと・・・着実に・・・鮮血をまき散らしながら
恐怖を纏ったその者は、近づいてくる・・・。
伊能「や、やめろ

く、来るな

死・灰・獣・惨・気 ・・・・・

」
ゆっくりと近づいてくる恐怖の塊に、容赦なく攻撃を
仕掛ける伊能

しかし、攻撃を仕掛けているはずの伊能の表情には
先ほどまでの余裕は無くなっていた・・・

恐怖の塊は、伊能のすぐ目の前に

透明「い・・・の・・・う・・・・
喰らってやる~・・・・・・ 。」
伊能「
うわ~~~~~~~~っ 

」
伊能の首筋から、大量の鮮血が飛び散る

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
昴「・・・・透明

こいつ何してるんだ

一人でバタバタしているけど・・・

」
透明「う~ん

多分、
自分のしたことへの
恐怖心が返ってきているんじゃないかな
」
陣「で、でも、突然どうしちゃったんだ


透明と戦闘を始めるって言ってから、
動きが変だけど・・・

」
透明「くすっ

さっき、昴が伊能ちゃんに対して忠告してくれていた
時から
伊能ちゃんに分からないように、少しずつ幻術をかけて
いたんだよ
それも、伊能ちゃんがお前達にかけていた方法と同じモノを
伊能ちゃん用にアレンジさせてもらってね
」
透明「
先を読むのは、私の専売特許だからね
」
最初から、透明の術中に落ちていた伊能・・・。
次回、伊能が目を覚まします 
続く ・・・。