Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

歯の動詞化(ハナゴイ)

2019-08-20 20:28:10 | ハタ科

早朝までは雨交じりでしたが、日中は陽光が鋭かった本日のやんばるです。

熱帯低気圧が東シナ海を北上中なのですが、特にそれを感じることもなく…。

また南の海上には、もう一つ熱帯低気圧が。

こちらは数日以内に台風に発達しそうです。

沖縄島には接近しない予想ですけど。

風は南東。晴れときどき曇。

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『瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして思はゆ 何処より 来りしものぞ眼交に もとな懸かりて 安眠し寝さむ』

万葉集の、山上憶良の長歌です。

瓜を食べても栗を食べても我が子のことを思い出す。遠くにいても目に浮かんで安眠もできない。という感じの歌。我が子を愛して止まない気持ちを歌っているのだそう。

この歌の『瓜食めば』や『栗食めば』の『食め』は、『食む』のことで、『はむ』と読んで『食べる』という意味。

なんでもこの言葉は、『歯』が動詞化した言葉だと考えられているのだとか。

サボる・メモる・ミスるみたいに外来語+るで動詞化するのと同じような感じでしょうか。

食べることを意味する言葉には、他にも『食う』がありますよね。

これは『くわえる』から転じた言葉なのだとか。するとこちらは略語的な感じなのでしょうか。

『食べる』そのものは『給う』から変化したもので、これはもとを辿れば宮中の女房詞なのだそう。

つまり『食べる』はかなりお上品な言葉だったらしく、下々のもは『食む』を使っていたのだそうです。

『食う』や『食む』より『食べる』の方がお上品な表現だというのは、まあ今でも同じですよね。

肉食動物は『食う』、草食動物は『食む』というイメージがあるのですが、僕だけでしょうか。

例えば『虎が肉を食う』、『牛が草をはむ』みたいなイメージなんですが…。

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さて…

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属ハナゴイ Pseudanthias pascalus 19年7月2日 沖縄島崎山〉

画像は幼魚。

学名種小名は、意味不明。

『意味不明』という意味ではなく、意味が不明ということ。トウアカクマノミと同じパターンですね。

おそらく pascalis の誤植なのだとか。で pascalis はというと、『草をはむ』の意。

うーん、この学名でも意味がよく解らないのですけど…。

本種が食べるのは、カイアシ類・プランクトン・甲殻類の幼生・魚の卵などです。

コメント
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