Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

トイレの妖怪(ムナテンベラ)

2020-07-14 20:44:44 | ベラ科

風向・風速共に良い感じの日が続いてるやんばるです。

夏凪…という感じのコンディションでした。

午後の遅くにざっと一雨。空模様も典型的な真夏…、と思える一日でした。

明日からはまた少し南西風が強まりそう。空模様も不安定になりそうな予報です。

風は南南西。晴れ、一時雨。

■■

ときは慶長年間のこと。時代で言えば安土桃山時代から江戸時代にかけてのあたり。

笠松甚五兵衛という村人の家で甚五兵衛の妻が便所に入ると何者かに尻を撫でられるという怪異が起きた。

甚五兵衛は狐狸の仕業かと思い、刀を用意して便所に入ると、毛むくじゃらの手が出てきたため、これを刀で切り落とした。

数日後、三人の僧が甚五兵衛の家に現れ「この家には怪しい相がある」と言うので、甚五兵衛は切り落とした手を見せた。

すると手を受け取った僧の一人が「これは人家の便所に住み着く黒手というものだ」と言った。

さらに別の僧が手を受け取り「これはお前に斬られた我が手だ」と叫ぶと九尺(約2.7m)もの丈のある正体を現し、手を奪って三人もろとも消えてしまった。

それから何日か後、甚五兵衛は突然空から降りてきた衾(ふすま)のようなものに包み込まれ、6~7尺(約1.8~2.1m)も宙に持ち上げられて落とされた。気づいたときには、彼の懐から黒手を切った刀が奪われていたという。

これは能登(現在の石川県)、戸板村というところでの出来事。

妖怪『黒手』のお話です。

3m位もある大きな身体でトイレに潜んで、来る人のお尻を撫でる…。怖さよりも滑稽さを感じてしまったり…。

水木しげるの『妖怪大図鑑』にも描かれている妖怪なのだそうですよ。

■■

さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科キュウセン属ムナテンベラ Halichoeres melanochir 20年5月27日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『黒い手』の意。

成魚の鰭を手と表現しているのだそうです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする