Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

frying noise(サンゴテッポウエビ)

2020-08-04 20:35:22 | エビ・カニ類

台風4号は沖縄島を大きく迂回するように進んでくれまして、ほとんど影響なしな感じです。

空模様の大きな崩れもなく、陽光サンサン気温は真夏日…な日が続いてます。

この先も当分の間こんな感じの日が続きそうです。

風は南東。晴れ。

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『沈黙の世界』という映画をご存じでしょうか。

1950年代のフランスとイタリア合作のドキュメンタリー映画で、ジャック=イブ・クストーの潜水調査活動を記録したものです。

ジャック=イブ・クストーはご存じですよね。フランスの海洋学者で、『自給気式水中呼吸装置』つまりは『スクーバ』の発明者の一人です。

『沈黙の世界』とは水面下の世界のことですが、ダイバーなら誰もが知っているとおり、水中は決して静寂に満ちた世界ではありませんよね。

環境が生み出す音も聞こえますし、人工的なものの音だって聞こえます。それに生物の発する音も盛大に聞こえたりもしますよね。

沿岸域で最もメジャーな生物音は『テンプラノズ』なのだとか。天ぷら調理をしたときのような「パチパチ」という音です。英語でも『frying noise』と同じような発想で呼ばれているのだそう。

このテンプラノズはテッポウエビ類が発している音です。テッポウエビ類は第1はさみ脚が左右不同で、大きい方のはさみ脚の可動指と不動指の内側にプランカーとソケットと呼ばれる突起と受け口を持っています。

このプランカーをソケットに激しく打ち付けることで、強烈な衝撃音を発生させるのだとか。つまり鉄砲と言っても空砲ですね。もっと厳密に言えば指パッチンですね。テッポウエビは英語で『Pistol shrimp』と呼ばれますが、『Snapping shrimp』とも呼ばれています。指パッチンの英語『finger snapping』からです。

でも空砲と言っても、近くにいる動物を気絶させたり、試験管に入れるとそれを割るほどの強さがあると言われているのだとか。空砲でもあなどれない威力のある鉄砲ですね…。

テンプラノイズは、なわばり侵入者に対する威嚇・追い払いのために発せられているのだそうです。

■■

さて…

〈テッポウエビ科テッポウエビ属サンゴテッポウエビ Alpheus lottini 20年7月3日 沖縄島エンプラ〉

ハナヤサイサンゴやトゲサンゴなどの枝間に共生する本種も、強力な鉄砲を持っています。

 

 

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