*ウサギのお部屋*

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伊坂幸太郎「終末のフール」

2008年07月06日 | 
終末のフール
伊坂 幸太郎
集英社

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2006年



収録作品;

終末のフール

太陽のシール

篭城のビール

冬眠のガール

鋼鉄のウール

天体のヨール

演劇のオール

深海のポール



著者の、駄洒落好き(と勝手に認定w)が出てるねー。



あと3年で、世界が終わる、という設定。

「8年後に地球に小惑星が衝突する」と発表された5年後のこと。

当初は様々な混乱があったが、最近は落ち着いてきている。

そんな中での、仙台の小高い丘の上にあるマンションの住人たちそれぞれのお話。

みんな、家族や知り合いを誰かしら亡くしている。

登場した人物が、微妙に絡み合いながら、短編が構成されている。



まず「仙台」っていうのが親近感だよね。

これは私だけかw



終末のときをどう迎えるか。

設定は、思い切りフィクションなんだけど、生き方、死に方、考えちゃうね。

そして、著者の描く人々の魅力的なことといったら。



キックボクシングの王者、苗場さんの言葉がいい。

(まだ世の中が混乱する前「もし、明日までの命だったら」という質問に対して)いつもと変わらず、できることをやるだけです。あなたの生き方は、いつまで生きるつもりの生き方なんですか?明日死ぬとしたら生き方が変わるんですか?



妊娠して、産むかどうか迷ってる夫婦にも共感。

いや、私は迷わないけどさ。こんな世の中に新しい命を送り出すなんて、みたいな思いはあるから。



「冬眠の」女の子がかわいかったな。



あ、あとは、ネタバレになるから自粛。

なかなかいい終わり方だったな。



伊坂作品をだいたい全部読んだ。

図書館バンザイ!w

「もっかい読みたいな」ってのが多々あったけど、これもそうだけど、さっさと読んでさっさと返してしまったりしているので、文庫をまた借りようと思う。

(文庫化するときに加筆修正することが多いから)