*ウサギのお部屋*

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桐野夏生「日没」

2021年08月07日 | 
 
2020
胸糞悪い話よ。
今の状況みたいだなって思って読みたいと思ったんだっけか。
順番がやっと来たのでした。
主人公は、ある日、身に覚えのないことで呼び出され、出向いていったところ、そのまま拘束されてしまう。
主人公は作家であり、その作品の中において、社会的によくないと読者から告発があり、逮捕、のようなことかな。
でも、逮捕じゃなくて、勉強して正しく更生すればいいみたいなことを言われ。
それで、二度とその施設から出られない。みたいな。
何かもう、水の味とか、出される食事とかが、想像できてしまって、一緒になってそこに行ってしまったよね。

証拠も起訴も何もなく子供を連れ去る児相のやり方と同じだった。
このように我々は支配されているのですよ、皆他人事ではないのですよ、みたいなメッセージなのかねえ。
文学が弾圧される、思想の自由が脅かされる世界は、もうすぐそこ。みたいなね。
最後どうなるのかってハラハラして読んだよ。
ラストは「え?」って思ったから言わないほうがよかろう。
胸糞悪い話よ。