*ウサギのお部屋*

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モンゴメリ「エミリー」ブックス(1923・1925・1927)

2024年08月02日 | 
 
Emily of New Moon
Emily Climbs
Emily's Quest
(村岡花子訳)
毎年6月に読むと決めてる。理由は何となく、毎年その時期に読んでたから。エミリーの誕生日が5月なので5月でもよいのだけどね。
ちょっと遅くなってしまった。7月に読みました。

新装版が図書館にあったので、借りて読んだ。新訳ではないが持ってるのよりも文字が大きかったり読みやすくなってる。
あとは、時代に合わせて差別用語がソフトな表現に変わったりしてた。「めくら」が「目をふさがれてる」に変わってた。
てにをはが直されてたり、「知っていた」→「分かっていた」などもあった。
多分気づいてないけどもっといろいろ変更されていることと思う。
うわーと思ったのは、「マザー・ハバード」!(笑)これは誰も分かるまい。。「ハバードかあさん」じゃ分からなかったものがいろいろ出てきてすごい(笑)えっ何、かわいいワンピースじゃんと思うけど、、、

松本侑子さんの訳も待ってます!
「風のおばさん」は「Wind Woman」で、「北風のうしろの国」の北風のイメージだとか。
これもイメージ変わる。でも子供が「風の女が、、」とか言うと少し違うからね、難しいとこだね。

また、今回気づいたことなどを書いていこう。
3次元(旧世代)vs5次元(新世代)とかだねー。
あとは、やっぱり、物を書く人は、向こうの世界との通信があるよね。いわゆる「降りてくる」みたいなこと。これも、本当にあるんだと知ったので面白いなと思う。

お父さんの神様とエレン・グリーンの神様は違う。
ってのが、世界線がそれぞれ違うとか自分自神にも通ずる感じでよき。

名前何だっけ。
思い出した、アンゾネッタ。
本にあった聖女のようになれって言われてその真似をしたらこいつは頭おかしいって言われた話とか、ほんと面白い。

イルゼの言う、神様がいなくて悪魔しかいなかったとしたら、、、の世界って、今までの世界じゃん。そりゃー、怖いわ。

いつもよりも、細かな描写を味わって読んでいた。何度読んでも発見がある。
「同じ本を20回読む=何も発見はない」みたいな話があるけれど、何回読んでも何十回読んでも新しい発見があったり、今さらそこで泣いたりとか、毎回そこで泣くとか、すごいですよ。

イルゼのお母さんの本当のことのくだりで、何かすごく泣いた。
あそこは本当に、すごい。
でも、本当にそういうことはあるのだと知ったので、何か、いいよね。
この、不思議な、千里眼的な話。3部作で1つずつあるのも意図的でいい。

高校時代に下宿する先のルース伯母のことが、意外と入ってきた今回。
どんな嫌な人でも、いいところがあるというか、人間の深みをちゃんと描いているところがいい。
そういえば、もう私はこの伯母たちの年代になってるなって、今回は気づいちゃったね。エミリーみたいな姪がいたらめんこいだろなー。
ナイスアシストと思ったのは、ルース伯母が「家が火事? 港が火事?」って聞くところ。「火事になったのは私の心」ってエミリーが答えるの。いい問いだったなと思う。こういうところがぽっと出てくるのがいい。

3作目は、一番分量は短いけれど、一番年数も長いし、いろいろ詰まってると思う。
特に、愛について。
この辺を今までよりも深く読んだ。
恋がなかったらどんなにいいか? とか。体は近くにいても、心が離れてしまって、その切なさがつらい。
「愛するとはたった一つの感情でしかない」とかも、何でそれが分かっちゃうんだろうとかも、不思議だなあって、改めて思ったりとか。
テディが自分を愛していたんだと知ったところは改めて感動。
「怒りも、恨みも、彼女の魂の中に場所を捜すことはできなかった。まるで新しい生きもののような気がした」
魂って言葉は、よく出てきたなと思う。
そして、やっぱり、最後のシーンはとてもよいと思うのでした。物語が終わる寂しさ。ハッピーエンドのうれしさ。


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