観測にまつわる問題

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ゆっくりしてるの?ゼレンスキーさん。

2023-05-23 22:45:52 | 外交安全保障
ゼレンスキー氏、G7首脳らに「7月平和サミット」開催を提唱(読売新聞オンライン 午後10:45 · 2023年5月23日)

古代中国(戦国時代)の軍事理論書で世界で著名な(武士の国、日本でも歴史的に読まれてきた)孫子の作戦篇(Web漢文大系)に「故兵聞拙速、未睹巧之久也。」とあります。
故に兵は拙速を聞きくも、未だ巧の久しきを睹(み)ざるなり。
戦争は戦術がまずくとも素早くやること(速やかに勝って戦争を終わらせること)。戦術が巧みで長期戦になることは今まで見たことがない(そのような事例は聞いたことがない)。

武器の到着を待っているのかもしれませんが、戦争は可能なら早く終わらせた方がいいです。厭戦気分はウクライナよりロシアの方が強いという計算かもしれませんが、支援疲れを甘く見ない方がいいのでは?ウクライナは支援で国を維持している状態です。最大の支援国のアメリカですが、次が共和党なら支援に消極的になるとも言われています。言いにくいことをあえて言えば、ウクライナは長距離砲、戦車、戦闘機を次々に要求しており、勝つビジョンが案外見えないんですよね。百も承知でしょうが、進軍しないと領土の奪還は無理であって、幾ら外交的圧力をかけてもプーチン大統領が引くと思えません。

戦車の供与の段階でハルキウ反攻のように機甲部隊での電撃戦かとイメージしていましたが、(空対空が主任務の)戦闘機の要求で良く分からなくなってきました。勝つのに空爆での支援が必要と考えているのでしょうか?それは戦闘機の供与で可能でしょうか?勝つイメージが見えなければ、支援の継続も難しくなっていくのではないかと愚考しますが如何でしょうか?ゼレンスキー大統領は当初早期の反攻を示唆していましたが、それを打ち消す発言に変わっています。そして今回の7月サミットの提案ですが、延期に次ぐ延期がせっかく高まった士気を下げないのか疑問に思った次第です。

最後に誤解のないよう付け加えておくと、私はウクライナの勝利を支持しており、全領土の奪還を目指して行けるとこまで行けばいいと思っています。戦っているのはウクライナに他ならず、その苦労と損害は計り知れないとも思いますが、日本の国益もあるのであって、無限の愛という訳にはいかないのも事実です。日本は(ウクライナごと)ロシアに勝った国でもあります(日露戦争)。そしてその結末は日比谷焼討事件だったんですね。民主国家にとって国民の支持は何より重要と思いますが、戦争が国民の思い通りに必ずしもならないという歴史の教訓があります。苦戦を怖れているようにも見え、やってみなければ始まらない面もあると思った次第ですが、武器の到着を待っている、支援疲れにしない自信があるというなら、ひとまずこれ以上付け加えることはありません。

追記:ウクライナ情報機関トップ “大規模反転攻勢 まもなく始まる”(NHK 2023年5月23日 6時37分)
>ウクライナ国防省の情報部門のトップがNHKの単独インタビューに応じ大規模な反転攻勢について、最小限の兵器などで近く始めることができるという認識を示しました。ただ、反転攻勢では激しい戦闘が長期にわたる可能性を示唆し「作戦の継続にはかなりの備蓄が必要だ」としてゼレンスキー大統領が参加したG7広島サミットをきっかけに欧米側による兵器の供与がどこまで進むのか注視する考えを示しました。
・・・このニュースをチェックしないまま書いた記事ですが、消したりせずそのままにしておきます。まぁまもなくが伸びているのも事実なので。

日本経済復活には適度なインフレ社会への転換が必要

2023-05-23 21:30:09 | 経済財政
「結局は日本のやり方が一番効率的だと世界が認め始めた」と専門家が指摘、2023年の日本経済の見通しはどの先進国よりも強い(U-1 NEWS 午後9:28 · 2023年5月23日)

近年の日本は(少子高齢化を悲観して)低成長で沈んでいたことは確かだろうと思います。これを転換して日本を成長させることは可能だと思いますが、その場合、適度なインフレになります。記事で紹介している(金融緩和に反対的なポジションの)エミン・ユルマズ氏もこれからはインフレ時代と書いてますね。(少子高齢化で市場の縮小予測の基調は中短期に動かせず)(金融緩和で抑え込んでいた)デフレ傾向では無理です。

デフレ(気味)だと低金利でもお金を貯める(現預金)のが正解になりますから。皆が使わず、結果的に商売あがったりになります。堂島米会所を産み出した江戸時代の言葉ですが「お金は天下の回りもの」とも言い、世界最大の経済大国アメリカは消費大国であり、投資大国です。意外かもしれませんが、日本は今は内需主導の国なんですね。

日本の工業力・潜在力を高く評価するにやぶさかではありませんが、今までの日本を続けて日本の時代が来ると考えるのは、夜郎自大に過ぎるのではないでしょうか。輸出主導の夢とかあるかもしれませんが、円が高くなれば(日本が評価されれば)、それは通用せず、工場も結構出ていっています。

土地が馬鹿みたいに上がって(資産インフレ)バブルも崩壊しましたよね(今の東京の土地の価格が過熱していると必ずしも思いませんが)。日本を低く評価する必要もないと思いますし、日本の地位はこれから高まると信じますが、日本に金が巡らず経済のパイが大きくなることは理論上有り得ません。

1%とかの低インフレがいいかですが、(低成長の基調を変えることが出来ず、賃上げも実現しなかった)アベノミクスを美化し過ぎではないでしょうか。金融緩和でデフレからデフレ傾向に転換させた功績は大きいと思いますが、賃金の下方硬直性があって、低インフレ下では経済のダイナミクスが働きません。生産性が高いところが勝ち残って市場が効率的になるんですが、低インフレ下ではお金がそもそも動かず差がつきませんから。差がつかないのはいいところもある反面、生産性が高いところが勝たないということでもあります。

追記:自民 積極財政派議員“防衛費財源など 歳出カット避けるべき” (NHK 2023年5月24日)

経済成長が重要なのは分かりますが、結構物価目標を定める(アメリカで言えばFRBにあたる※FRB議長の言動に注目しない経済専門家はモグリのような)中央銀行/日銀の仕事じゃないですかね。低インフレで高い経済成長率って聞いたことありません。

自民積極財政派≒アベノミクス派の印象もありますが、アベノミクスは低成長で日本経済を十分再成長させることは出来ませんでした。乗数効果の小さい公共投資に依存したからのようにも思えます。国民もデフレ・低インフレで貯金するので難しいですが、本来は適度なインフレ下で国民の消費・投資を促すのが筋のように思えます。収入と支出の大きな乖離は必ず破綻すると私は思います。国債は国民の貯蓄と言いますが、国民が使わない保証がないというか、国民が使うように促すのが筋な訳です。国民の消費投資の代わりに乗数効果の小さい公共投資が正解でしょうか?全然違うと私は思います。

追記:日本医師会 松本会長 少子化対策に理解も “診療報酬確保を”(NHK 2023年5月24日)

国の財政も厳しいと思われ、医療のICT化(効率化)は現代的な課題のように思われます。

世間一般で賃上げした時、診療報酬や介護報酬が据え置きでは、相対的な地位は下がり、人手不足になったり進んだりするかもしれませんね。医療の地位をあえて下げる必要はないように思われ、勤務医は特に不足と言います。国民の負担に関して言えば、賃金が上がれば問題ありません。

適度なインフレが経済にいいのは、人手が余っている(供給過剰)の業界・会社の賃金は据え置いて相対的に下げることが出来ることだと思います。逆に人手不足の業界・会社は平均より賃金を上げて人を集めればいい。デフレや低インフレでは賃金の下方硬直性で賃金と雇用の調整メカニズムが働きません。

高齢化社会を支える原資は自分で払った社会保険料というより税金(国民年金の2分の1国庫負担分)(厚生年金の企業負担分)に近いですが、物価が上がれば国は増収になります。年金額は(給付水準を抑える)マクロ経済スライド方式(アベノミクスではこれを発動させないため、低インフレに抑えていたか)ですが、国の増収が安定するなら改訂も考えられます(世代間格差を考えると、マクロ経済スライドは公平な制度と言えるとは思いますが)。

年金運用もあって、株価が上がらないとどうしようもないんじゃないかと思います。経済が上向かないと上手くいかないと思われ、事実これまでの低インフレ状態で借金は積みあがっています。経済成長して(生産性が上昇しGDPが上がって)国庫が厳しくなることは考えにくいのではないでしょうか?。

日本と国連

2023-05-23 20:15:41 | 外交安全保障
非常任理事国32年出馬、日本政府が苦渋の決断…グローバル・サウスに出番譲る(読売新聞 2023/05/23)

日本の常任理事国入りは常任理事国の承認が必要で中露が反対しそうです。あまり現実的ではなく、出来るだけ非常任理事国になる方が日本の国益に適うようが気がします。他のG4も同様でしょうね。敵国条項の削除も拒否権のある中露が反対するので上手くいきません。

今回のロシアのウクライナ侵攻でロシアの拒否権を剥奪すべきのような意見もありますが、ロシアの拒否権で否決されるでしょう。常任理事国は(古い)核保有国クラブであって、中々新入りは難しいんですね。核を保有すれば常任理事国になれるという前例をつくるのもおかしいでしょうし。

日本の国際貢献は国際的に高く評価されていると思われ(非常任理事国入り最多)、不条理なような気もしますが、(有志で新国連を組織する等して)中露を無理して追い出したら、ヤケクソで何をするかも分かりませんし、我慢も必要かと思います。ロシアのウクライナ侵攻は許し難い暴挙だと思いますが、世界を滅ぼす引き金はまだ引いていません(核恫喝はやっても核は使用していません)。個人的には理事国にならないかんのかとも思いますが、国際的には積極的であった方が誤解されず、消極的な日本人のままでは国益を損ねてしまうような気もします。グローバル・サウスに出番譲ることも日本の非常任理事国入りには必要なのかもしれませんが、日本人特有の消極性の現れかもしれないと正直思ってしまったのは否定できません(最多選出ですし、特に外務省のやり方に意見がある訳ではありません)。

日本が中露を敵国認定しているというより、中露がまさに敵国条項廃止阻止という形で日本を敵国認定しているというのが正確な国際情勢認識のように見えます。だからと言って、何か大きく困ったことがあるかと言われれば、そうでもない感じもあって、勝手にイキってろと思わなくもありません。

日本は戦前、国際連盟の常任理事国でしたが、満州事変を契機に脱退しています。その後も国際的な支持が広がるはずもなく、枢軸国の一員として大戦に突入する訳ですが、そのような過ちは繰り返したくないものだとは思いますね。まぁ常任理事国になって浮かれてもいいことないかもしれませんよ。

アメリカは国際連盟をつくりましたが、不参加でした。今では(国際連合に)参加していますが、分担金を停止するとか、積極的に行動しています。それでも大丈夫な訳ですが、アメリカだから出来ることなのであって、日本人にマネは出来そうにありません。日本はこれまでの反省を活かし、日本流で国際社会で生き抜いていってほしいものです。世界は科学技術の発展で「狭く」なっています。中国の海禁を真似した鎖国政策等、愚の骨頂ですよ。資源を輸入しなければ生きられないのですから。日本人が鎖国政策等採らずに、積極的に海外に出て日本人街を東南アジアにつくるのような行動を続けていれば、その後の歴史はどうなったろうと考えることがあります。