予告していたレバノン記事ですが、中東情勢を自分なりに見たところ、レバノンの安定と復興のカギは難民問題の解決にあるかと思います。これはレバノンに限らず中東情勢全般に言えることだとも思います。
レバノン基礎データ(外務省)
>中東和平問題に関しては、レバノン・シリア両トラックの一体性を強く主張し、公正かつ包括的な和平を求めている。中でもレバノンは、民族宗派間の人口バランスを崩すパレスチナ難民のレバノンへの帰化を拒否し、難民の帰還権を強硬に主張する立場をとっている。また、ヒズボラなど対イスラエル抵抗組織の活動を許容する立場を示している。アラブ連盟の一員であり、アラブ諸国との外交に重点。また、旧宗主国である仏とも緊密な関係にある。
レバノンはパレスチナ難民の帰化を拒否しています。かと言ってイスラエルが急にパレスチナ難民を受け入れることはないでしょう。戦争でアラブ諸国に済めなくなったユダヤ人をイスラエルは受け入れたので、パレスチナ難民はアラブで受け入れるべきだというもののようです。じゃあどうすればいいかと言えば、筆者には難民受け入れのプロのようにも見えるヨルダンでの受け入れがひとつのアイディアだと思います(シリア難民で国は「沸点」に ヨルダン国王インタビュー(BBCニュース 2016年02月2日)>国王は、ヨルダンに今後も難民を受け入れてほしいと国際社会が期待するなら、もっと支援しなくてはならなくなると述べた)。ヨルダンは既にイラク難民・シリア難民を受け入れてますが、こちらは故国に帰る方向性が望ましいと考えられます。正直厄介者になっているようにも見えるレバノンのパレスチナ難民に解決の糸口が見えれば、レバノンの対イスラエル感情は軟化し(レバノンはイスラエルが受け入れないことが問題だと思っているはずです)、対イスラエル強硬派かつ過激派のヒズボラの問題に向き合い易くなるかもしれません。
>2011年3月以降のシリア情勢に対し、レバノン政権は不干渉の立場をとっているものの、ヒズボッラーはシリア政権を支援して事実上参戦し、また、約100万人以上のシリア難民受入れによる社会の不安定化、シリアからの過激派勢力の侵入による治安の悪化、主要産業である観光業収入の激減による経済状況の悪化等、シリア危機はレバノンに深刻な影響を与えている。
レバノンにとってパレスチナ難民が厄介者なら、シリア難民が厄介者でないはずがないと思うんですよね。シリア情勢がどうなるか予断を許しませんが、将来的にはシリア難民はシリアに帰還するのが望ましいと考えられます。人は生まれ育った国で生活するのが本来は望ましいと思います。今ならまだ(パレスチナ難民ほどは長期化していないので)帰り易いところはあるのではないですか?シリアからの過激派流入が止まれば、シリアと関係の深いヒズボラの勢力も弱まるように思えます。それがレバノン国民の本当の望みかもしれません。
イスラエルに都合のいいような考えに見えるかもしれませんが、イスラエルは最近、国の東側(ヨルダン・イラク・クウェート・サウジ)の情勢安定を見込んで関係改善と経済発展を目指し始めたようにも見えます(イスラエル、アラブ諸国に広域鉄道網提案へ 担当閣僚が表明、日本に協力要請 日経新聞(2017/10/21 21:00))。イスラエルとアラブが協調の方向性に進めば、中東情勢は安定の方向に向かうことは間違いないでしょう。
>現国会議員の任期は2013年6月までであったが、選挙を実施するための選挙法について、各政治勢力間で合意に至らず、2014年11月までの任期延長に合意。2014年11月、任期を2017年6月まで再延長した。2017年6月に新選挙法が可決され、準備期間として議会任期をさらに2018年5月まで延期した上で、議会選挙が2018年5月に実施される見通しとなった。
レバノンでは2018年5月に選挙があるようです。それまでにある程度国の方向性について考えていくべきであることは言うまでもありません。
>レバノンには18の宗派が存在し、各宗派に政治権力配分がなされ、バランスの確保に意が用いられている(大統領 マロン派、首相 スンニ派、国会議長 シーア派)。
>また、各宗教・宗派もそれぞれ一体ではなく、各宗教・宗派内でも複数の党派がそれぞれの政治的立場や利害を巡り確執や同盟関係を複雑に展開する政治構造がある。
レバノンの政治権力構造は複雑のようですが、レバノンはレバノンなりに上手くやっていくと思います。政治の安定が必要で、大量の難民流入で事態を複雑にするべきではないのでしょう。
>内戦以前の首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれ、中東のビジネス・金融センターとして繁栄していたが、内戦によってシステムが崩壊。
>現在のレバノン経済は、観光、不動産、外国からの送金等、国外の政治・経済情勢に大きく左右される分野に依存しており、経済の自立性を高めることが課題となっている。
レバノン情勢が安定し、中東情勢が安定すれば、レバノンは再び輝きを取り戻せると思います。中東情勢の安定は日本の国益でもあり、ビジネスチャンスでもあると思います。できる協力はするべきでしょうね。
レバノン基礎データ(外務省)
>中東和平問題に関しては、レバノン・シリア両トラックの一体性を強く主張し、公正かつ包括的な和平を求めている。中でもレバノンは、民族宗派間の人口バランスを崩すパレスチナ難民のレバノンへの帰化を拒否し、難民の帰還権を強硬に主張する立場をとっている。また、ヒズボラなど対イスラエル抵抗組織の活動を許容する立場を示している。アラブ連盟の一員であり、アラブ諸国との外交に重点。また、旧宗主国である仏とも緊密な関係にある。
レバノンはパレスチナ難民の帰化を拒否しています。かと言ってイスラエルが急にパレスチナ難民を受け入れることはないでしょう。戦争でアラブ諸国に済めなくなったユダヤ人をイスラエルは受け入れたので、パレスチナ難民はアラブで受け入れるべきだというもののようです。じゃあどうすればいいかと言えば、筆者には難民受け入れのプロのようにも見えるヨルダンでの受け入れがひとつのアイディアだと思います(シリア難民で国は「沸点」に ヨルダン国王インタビュー(BBCニュース 2016年02月2日)>国王は、ヨルダンに今後も難民を受け入れてほしいと国際社会が期待するなら、もっと支援しなくてはならなくなると述べた)。ヨルダンは既にイラク難民・シリア難民を受け入れてますが、こちらは故国に帰る方向性が望ましいと考えられます。正直厄介者になっているようにも見えるレバノンのパレスチナ難民に解決の糸口が見えれば、レバノンの対イスラエル感情は軟化し(レバノンはイスラエルが受け入れないことが問題だと思っているはずです)、対イスラエル強硬派かつ過激派のヒズボラの問題に向き合い易くなるかもしれません。
>2011年3月以降のシリア情勢に対し、レバノン政権は不干渉の立場をとっているものの、ヒズボッラーはシリア政権を支援して事実上参戦し、また、約100万人以上のシリア難民受入れによる社会の不安定化、シリアからの過激派勢力の侵入による治安の悪化、主要産業である観光業収入の激減による経済状況の悪化等、シリア危機はレバノンに深刻な影響を与えている。
レバノンにとってパレスチナ難民が厄介者なら、シリア難民が厄介者でないはずがないと思うんですよね。シリア情勢がどうなるか予断を許しませんが、将来的にはシリア難民はシリアに帰還するのが望ましいと考えられます。人は生まれ育った国で生活するのが本来は望ましいと思います。今ならまだ(パレスチナ難民ほどは長期化していないので)帰り易いところはあるのではないですか?シリアからの過激派流入が止まれば、シリアと関係の深いヒズボラの勢力も弱まるように思えます。それがレバノン国民の本当の望みかもしれません。
イスラエルに都合のいいような考えに見えるかもしれませんが、イスラエルは最近、国の東側(ヨルダン・イラク・クウェート・サウジ)の情勢安定を見込んで関係改善と経済発展を目指し始めたようにも見えます(イスラエル、アラブ諸国に広域鉄道網提案へ 担当閣僚が表明、日本に協力要請 日経新聞(2017/10/21 21:00))。イスラエルとアラブが協調の方向性に進めば、中東情勢は安定の方向に向かうことは間違いないでしょう。
>現国会議員の任期は2013年6月までであったが、選挙を実施するための選挙法について、各政治勢力間で合意に至らず、2014年11月までの任期延長に合意。2014年11月、任期を2017年6月まで再延長した。2017年6月に新選挙法が可決され、準備期間として議会任期をさらに2018年5月まで延期した上で、議会選挙が2018年5月に実施される見通しとなった。
レバノンでは2018年5月に選挙があるようです。それまでにある程度国の方向性について考えていくべきであることは言うまでもありません。
>レバノンには18の宗派が存在し、各宗派に政治権力配分がなされ、バランスの確保に意が用いられている(大統領 マロン派、首相 スンニ派、国会議長 シーア派)。
>また、各宗教・宗派もそれぞれ一体ではなく、各宗教・宗派内でも複数の党派がそれぞれの政治的立場や利害を巡り確執や同盟関係を複雑に展開する政治構造がある。
レバノンの政治権力構造は複雑のようですが、レバノンはレバノンなりに上手くやっていくと思います。政治の安定が必要で、大量の難民流入で事態を複雑にするべきではないのでしょう。
>内戦以前の首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれ、中東のビジネス・金融センターとして繁栄していたが、内戦によってシステムが崩壊。
>現在のレバノン経済は、観光、不動産、外国からの送金等、国外の政治・経済情勢に大きく左右される分野に依存しており、経済の自立性を高めることが課題となっている。
レバノン情勢が安定し、中東情勢が安定すれば、レバノンは再び輝きを取り戻せると思います。中東情勢の安定は日本の国益でもあり、ビジネスチャンスでもあると思います。できる協力はするべきでしょうね。