観測にまつわる問題

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沖縄に関する無知は差別の気持ちから来るものではありません

2017-12-22 16:32:33 | 日記
(社説)沖縄への中傷 苦難の歴史に理解欠く(朝日 2017年12月22日05時00分)

>米軍ヘリの窓が校庭に落ちてきた普天間第二小学校に「やらせだ」「仕方ないだろう」などと、中傷・揶揄(やゆ)する電話が30件以上寄せられている。

普天間小学校に心無い中傷や揶揄の電話があったとしたら残念ですね。ただ、この電話の主というのも正体不明でしょう。大新聞が社説で紹介する以上、朝日はちゃんと取材したんでしょうかね?というのも、これに先立つ保育園の事件の方が自演だと指摘されているからです。保育園の事件が自演であるならば、続く事件も疑ってしまうのは当然の心理だと思います。

>今月初め、ヘリの部品が園舎屋上で見つかった同じ宜野湾市の保育園にも「自作自演だ」などの攻撃が相次ぐ。

保育園の牧師は反基地活動家で(そのことに関するご自身の説明はないようです)、部品が落下したらそんな「被害」では済まないという指摘がネットであります(やはりそれに対するご自身の説明はないようです)。反基地活動家の言い分をそのまま信じる訳にはいきません(幾度と無くレーザーポインターを米軍機に向かって照射し、一歩間違ったら大事故に繋がりかねない危険な活動をする危ない人達です)。

>普天間飛行場は沖縄戦さなかの1945年、学校や住宅があった土地を米軍が接収して造成した。戦後、収容所や避難先から戻ってきた住民は、その周辺で暮らすしかなかった。

普天間飛行場建設の経緯に関しては、当初自分も誤解していたところがあります。どの程度人が住んでいたのか資料を見ておらず良く分かりませんが、元々人が住んでいない土地ではなかったのだろうと思います。ただ、米軍は日米両軍の不発弾が埋もれていた危険地帯の不発弾を処理して普天間基地を建設し、特に本土復帰で思いやり予算がついて以降、基地に依存した地域社会を形成し発展してきた経緯があることも否定できないようです(参考:普天間飛行場(ウィキペディア))。対して本土の米軍基地は旧日本軍の基地を利用してつくられており、旧日本軍のレベルで基本的には問題が解決していますが、沖縄の米軍基地はアメリカ統治になって恐らくハワイやグアムのように基地が造られたということであって、どうも成り立ちが違うようです。日本が沖縄に対して申し訳ないと思うのは、アメリカに負けたこと、アメリカの沖縄統治を許したこと、そして勿論沖縄戦で多大な犠牲を強いたことです。「米軍基地問題」を論ずるために必要なのは基地の成立過程から歴史を辿ることですが、必ずしも日本本土と沖縄の基地を単純に比べるべきではありません。成立過程の研究で必要なのは、グアムやハワイの基地との比較でしょう。ただハワイやグアムのアメリカ統治は沖縄の統治より古く無理を押し通したような印象もありますが、それは兎も角基地を設置したのは米軍であり、成り立ちが違う本土の基地と比較して単純に論じるべきではないのは間違いないところだろうと思います。

>県民総所得に占める基地関連収入の割合は5%に過ぎず、基地が沖縄の経済発展の足かせになっていることは、数々のデータが裏づけている。

基地が沖縄の経済発展の足枷と断定できるかは疑問もあります。沖縄ぐらいの大きさの島だとまず(日本の戦後の発展を支えた)工業に適してないことは明らかだろうと思います。経済の大きな部分を占める第3次産業にも向いてないと思います。これは沖縄に限らずどの地方も同じで、向いているのは大都市で日本だと東京圧勝と言わざるを得ません。農業だって水を使いますし漁業も消費地に近くありませんし特に資源がある訳でもありません。向いているのは観光だろうと思いますが、オフシーズンがある観光依存も正直疑問です。ITは離島でも比較的ハンディは少ないと思いますし、そのための投資もされていると思いますが、沖縄が有利な訳では決してありません。5%でも外部から収入がもたらされる意味は決して小さくはないと思います。沖縄は地政学的要衝にあって、そこにあることこそが唯一無二の価値です。それを活かさない手はありませんし、引越しできないので選択肢がある訳でもありません。米軍や自衛隊がいなくなれば、他の国の軍隊が入ってくるだけです。

普天間基地が那覇都市圏の発達の邪魔になっていると言われればあるいはそうかもしれません。ならば一刻も早く辺野古移設するべきじゃないですか?辺野古は沖縄でも取り残された地区です。住民の方々は辺野古移設にほとんど同意していると聞きます。本土からの差別を訴える沖縄がより弱い立場の辺野古の意見を尊重しないふうなのは残念に思っています。

>ヘリパッド建設工事に抗議する住民を、大阪府警の機動隊員は「土人」とさげすんだ。沖縄差別というべき振る舞いが後を絶たない。

ヘリパッド建設に対する反対運動に参加する住民の方もいらっしゃったかもしれませんが、少なからず本土の活動家・海外の活動家が参加したと言われ、必ずしも住民の自発的な抵抗運動とは言えなかったのではないかと思います。「土人」発言に関しては差別的な言辞が誤解を招いて残念だと思いますが、汚い言葉で機動隊を罵り決して品行方正とは言えない方々を軽蔑する気持ちが抑えられなかったのかもしれません。記事には書かれていませんが、当初「支那人」 発言も問題とされたと思います。これも誤解を招いたかもしれませんが、中国の属国を意味する4本爪の龍柱が建設されそれを推進した方が知事となり沖縄(尖閣)侵略に声もあげない現状に対する危機感からだと理解します。

本土の人間も良く分からず残念な発言をしているかもしれません(筆者も似たようなものです)。でも47ある都道府県でこれほど注目されている地域があるでしょうか? 沖縄は日本の首都ではありませんしそうであったこともなく、大都市でもありません。沖縄に対する無知を示す言動は必ずしも差別の気持ちから来るものではないことを理解していただきたいと思います。

筆者のツイッター投稿を再録・加筆・編集した記事。






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