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焼き物国際化

2018-06-09 15:08:28 | 日記
一ヶ月以上前、今年の4月28日になるのですが、「新しい砥部焼の可能性~砥部焼パリ展を終えて~」に参加してきました。その頃何か地域の活動ないかなと考えて町役場に行ってみたらチラシを見つけたというのがその経緯です。いろいろ感想はあっていずれ別に書くことはあるかもしれませんが、今回は焼き物の国際化一点に絞って記事を書きます。

砥部焼きを海外進出させようという試み自体は素晴らしい取り組みだとは思いますが(ロンドン展をまずやって今回のパリ展に繋がったようです)、そうした切り口はさておき、今回は別の切り口を検討します。講師は西岡孝泰氏(二代目永立寺窯窯元)で、経歴を見ると石川県九谷焼技術研究所入所で人間国宝吉田美統先生に師事とあります。筆者が質疑応答で細かい内容は忘れましたが、砥部焼きの定義に関わるような質問をした時、西岡氏の答えは保留にしたいということでした。陶芸教室でつくった焼き物など砥部でつくられた焼き物が砥部焼きという一般的な定義もあるし、伝統工芸としての手順など定められた砥部焼きもあるということです。一般的な定義はさておき、伝統工芸の技術をキチンと学んだ人間としては、砥部で作ったから砥部焼きでいいという考えに何の葛藤もないということではないようですが、まぁそれはそうだろうなと思います。勿論素人が陶芸するなと主張しているのでは全くありませんし、寧ろその真逆ではあると思いますが、全く一緒と言われたら、キチンと技術を身につけたものとしては立つ瀬がないでしょう。誤解のないよう強調しておきますが、あくまで筆者が質問したのであって、西岡氏はそれに答えただけです。

さて、焼き物の国際化ですが、展覧会というアプローチの他にも、志望者を外国から受け入れるというアプローチもあるのではないかというのが今回の主張です。これは西岡氏の経歴を見、話を聞いている内に思いついたんですね。砥部焼まつりは盛況のようですが(筆者は行ったことないのですが、リーダー塾の二期で会った方が盛況だったと教えてくれました)、この背景には焼き物や陶芸が日本に文化として根付いているということが挙げられると思います。筆者も小中学校で陶芸をわりとやったような記憶があります。長寿でピンピンしている母方の祖父の元気の秘訣は何時行ってもやっている陶芸かもしれません。愛媛1区の塩崎恭久議員のfacebook5月26日も松山市の五明という地区の陶芸教室に触れられています(伊台・五明は松山北東部にある中山間地域で検索するとこうげんぶどうなんかが特産のようです)(報告会に行ったついでに買える砥部焼きの資料を購入しましたが、どうも愛媛県においてかつて広くあった産業としての焼き物は大体砥部焼きに集約されているようです)。陶芸文化を広めるもひとつの方法かもしれませんが、そもそもそれをやろうというきっかけがどれだけあるか分からないところもあります。学校に行くなどしてキチンとしたプロの技術を身につけた方が陶芸教室を開くなり、その土地で焼いた焼き物を売るなどして焼き物文化を海外に広める役割を果たしてくれれば、日本で作った焼き物が売れる下地もできるのではないかという遠大な計画をザックリ考えてみた訳です。

石川県立九谷焼技術研修所

砥部焼きは愛媛の焼き物ですが、必ずしも愛媛だけで成り立っている訳ではなく、日本の他の有名どころの技術にも影響されながら成り立っているところもあるのかもしれません。砥部焼(ウィキペディア)を参照しても、明治期廃藩置県で各藩で門外不出だった陶磁器作りの技術が流出し、砥部焼きは量産可能になったようです。日本の技術を門外不出として輸出するのもひとつの方法でしょうが、焼き物なんかは文化そのものが広がる形の方が面白いのかなというのが筆者の印象です。探せば何処だって適した土や石はあるでしょうし、その土地ならでの焼き物もあるかもしれませんが、やはりキチンとした技術というのはあって、それを学ぶことで文化は広がり、底上げも出来てくるのかもしれません。

こうした発想の根底にはフランス的な発想もあります。フランスって自国の文化を定義し教えて広めるみたいなイメージってないですか?筆者にはあります。例:フランスならではの留学!料理学校ってどんな感じ?(留学Voice) フランス料理は高級料理の代表格として挙げられることも多いですが、それはこうした努力の成果でもあるのでしょう。パリと言えば、ファッションの都でもありますね。筆者の中では欧州で文化と言えば第一にフランスのイメージがありますが、その手法には学ぶべきところも多いのかもしれません。

別に欧米だけでなく、アジア各国・世界の何処からでもいいと思いますが、日本が日本文化の梁山泊(>『水滸伝』での意味が転じ、「優れた人物たちが集まる場所」、「有志の集合場所」の例として使われることもある)みたいになれば面白いと思った次第です。筆者に大東亜共栄圏を再構築する意図は皆無ですが(世界に革命を輸出する意図は全くありませんが)(参考:アジア主義(ウィキペディア) 両岸で尊敬される国父孫文も日本に亡命し支援を受けた経緯があります)、戦前の日本はアジア各国から留学生を集め世界に影響を及ぼしたところもあって、とりあず政治や軍事から遠い文化面で繋がりを拡大してもいいのではないかと考える次第です。元々日本の焼き物の源流は何処か海外にあるのかもしれませんが、その影響を受けながらも日本で発展し育ってきたことは確実と思います。

クールジャパン戦略もいろいろでしょうが、日本に広く存在する確かで伝統的で優れた技術であるところの焼き物で、地道に外国人を育て国際化を試みるのも面白いのかもしれません。

クールジャパン機構


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