ワニなつノート

友だち障害、あるいは恋愛障害 (7)


友だち障害、あるいは恋愛障害 (7)



このコミュニオン(社会)は、
この子どもたちを、「障害のあるふつうの子ども」として
含みこんできませんでした。
だから、「コミュニケーション」がないのです。

「なければ私が考えるから。私たちが作るから。」

私たちは、子どもの隣で、
いつもそう言い続けたい…。

いつも、そう言ってくれる仲間が、
子どもの隣にいる学校を求めたい…。

       ☆

それは、「どの子も地域の学校」で、始まりました。


日本では「養護学校あかんねん」という言葉で、
もう30年以上も言われ続けてきたことです。
もちろん、いまも確実に受け継がれています。

「インクル」とか、「ニーズ」とか、
わざわざ欧米語で遠回りする必要はありません。

そもそも、日本以外に、
「0点でも高校へ」を実現している国があるでしょうか?

HideやYuriちゃんや、tomoちゃんが、
ちゃんと単位を取って高校卒業できるのは、
日本以外にないと思うのです。

誰も見捨てず、誰も切り捨てず、
抜き出さず、取り出さず、留年もなく、
「すべての子どもを含みこんだ子どものコミュニオン」

である「学校」を持っているのは、
日本の一部の地域だけなのです。

私たちは、そのことをもっともっと大事にして、
考えなければいけないのだと思います。

康司がこの国と闘って切り拓いた
「新しい子どものコミュニオン」の地平を、
インクルなどという欧米語で惑わされてはいけません。

最初に「0点でも高校へ」と声を上げてくれたのは、
康司と雄介の二人でしたが、
その二人は、楽しい高校生活を
味わうことはできませんでした。

でも、二人のおかげで、
いま確かなコミュニオンとしての
高校文化が、生まれつつあります。

この地では、今中学一年のNaoちゃんややっちゃんが
高校生になるころ、
「0点でも高校へ・100人」に到達します。
この道のりは、若田さんが宇宙で生活して帰ってくるより、
ずっとずっとずっと遠い道のりでした。

学校のテストでは「0点」の一人一人が、
二十年余りの時間をかけて築き上げてきた
「コミュニオン」としての高校が、
100点よりも、はるかに大きな○を形造ることになるでしょう。

県教委や高校の先生たちに対する注文はいっぱいあるけれど、
それでも、会の子どもたち100人を受け入れ、
そしてきちんと単位を取らせて卒業させる力をもった高校が
いくつもあるこの県は、世界でもトップレベルの、
「コミュニオン」作りをしているのだと私は思います。

山田真さんも、
「ほとんどしゃべらないし、字も書かないというような
障害をもった子どもが高校にいるなんてことは、
ひょっとすると日本以外の国ではないんじゃないか」
と言っています。

私たちはこの20年あまり、
子どもたちを高校に入れるために
走り続けるのにせいいっぱいで、
その高校のなかで、
まったく新しいコミュニオン作りしている仲間のことや、
新しい学校の文化の中身を確認する作業を
してこなかったような気がします。

その研究のためには、
障害のあるふつうの高校生と、同じ高校の仲間に、
一緒に研究に参加してもらわなければなりません。
そして先生たちや教育委員会も。

コメント一覧

yo
kawaさんへ

8月2日…、このころ書いたものから、
歩ちゃんとお父さんのことにつなげて
書きたいことがあって、
そこでコメントを…とか思ったら、

なんだか違う迷路に入ってしまい、
気づいたら一ヶ月も過ぎてました(^_-)-☆

でも、来月、こちらで
「気管切開の子どもの学校生活を考える」
という感じの集会をやることになりました。
真さんも来てくれるって(>_<)
(来たいでしょう…。)

で、コメントに返信したいことが何だったのか忘れましたが、何か話したかったことだけは覚えているので、また思い出したらメールでもしまーす。





kawa
yoさんへ
お久しぶりです。

昨日・今日と名古屋では「バクバクの会」の総会と
講演・シンポジウムがありました。

シンポジウムでパネラーのお一人が、
わが子が幼くして呼吸困難になり
人工呼吸器を装着することになったときに、
医師から「外国(アメリカ?)では、
こういうケースは人工呼吸器は着けない。
脳死=人の死という考え方。
日本だからできる」
と言われたと話されました。
日本だから命がつなげたと。

海外では、死んでいることにされてしまう子どもたち。
日本の人工呼吸器をつけた
バクバクっ子の活動は世界に誇れると。

インクル同様に何でも外国が良いわけではなく、
日本独自の日本だからこそできていることがあると、
わたしも思いました。


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