ワニなつノート

関係障害論 メモ1




≪関係による問題は、関係で治す≫ (メモ・その1)

専門家のところに連れていって、
「この子をお願いします」と預ける前に、
あなたにできることはいっぱいある。
なぜなら、そのクラスの担任があなたなら、
そのクラスの一人一人の子どものことを知っているあなたが、
この集団の中で、この子を受け止めることのできる
一番の専門家なのだから。

「専門家の意見を聞く」という「責任転嫁」の下に、
いまここで、ここの生活の中でできることを考えない態度が、
一番問題を引き起こす。
それは二重、三重の意味で、問題をごまかし、
自分をごまかし、他人任せにし、
無責任と押し付けを、正しさと言い張ることにつながる。
それが、周りの子どものいじめや、バカにする態度につながっていく。

≪障害児、自閉症、ADHD、LD、…≫という
専門家の趣味の言葉を大きくして、
目の前の子どもを見ない姿勢を正当化しているだけなのだ。

そうではなく、この子が、「私の予想外の行動をする」のは、
この子がまだ社会経験も人間関係も乏しく、未熟で、
まだこの世の中の仕組みやしきたりに慣れていないことが、
一番の原因だと考えれば、それはただの子どもに見えるはずだ。
人生の初めての場面、慣れない集団や関係のなかでとまどい、
困っている子ども、不安と混乱の表現の一つだと捉えれば、
シロウトには訳の分からない特別な「障害児」特有の行動ではなくなる。
目の前にいるのは、ただの小さな子どもだと。

初めの場所や人に、不安で、
硬くなっていた小さいころの自分と同じ、
小さな子どもに見えてくる。

≪あなたが、ふと気がついたら、
目の前に長い行列があるとする。
いつの間にか、自分もそこに並んでいる。

何の為に並んでいるのか、しばらくは分からない。

だんだん、それが、バンジージャンプの順番を待つ列だとわかる。
目の前の子どもたちが、
次々と100メートル下の谷底の川に飛び降りていく。

自分はそんなつもりではない…。

なんとか説明しようとするが、言葉が通じない。

誰にどう訴えれば、自分の思いを聞いてもらえるかも分からない。

そうして迷っている間にも、列は次々と動いていく。
自分の順番が迫ってくる。

その時、あなたは、そこにいる人たちにとって
「予想外の行動」
「この人はなんで騒いでいるんだろう」
「周りに迷惑じゃないか」と思われる行動を、
しないでいられるだろうか?≫


…そのことが理解してもらえれば、
子どもが未経験、見通しの悪いことで、不安になっているなら、
ただ、みんなのいる教室、みんなのいる一日、
みんなと生活することに慣れてもらえばいいことになる。

関係の中で、つまづいているものは、
関係の中で修復していけばいいのだ。

もちろん100メートルのバンジージャンプの怖さだろうが、
初めての入学式の緊張だろうが、
運動会のピストルの音だろうが、
小さな滑り台とすべる怖さだろうが、
ディズニーランドのミッキーやドナルドの怖さだろうが、
それが怖い子どもにとっては、なんの違いもない。
あんなデカイねずみが無表情で近づいてくるのだから、
恐いに決ってるじゃないか。
あなただって、全長5メートルのニシキヘビを飼っている人に、
「だいじょうぶ、ぜんぜん恐くないから首に巻いてごらん」と言われても、
恐いに決ってるだろう。
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