《ふつう学級のよさは、
学校を終えてからの方がよく分かる》
④
《ずっとずっといっしょの何か》
「ふつう学級の良さは、学校を終えてからの方がよくわかる。」
それは「親」の思いだと考えていた。
さっき気づいた。
私も同じだった。
就学相談会のときに、「ふつう学級がいいよ」という。
でも、その子が高校を卒業する時には、百倍おもう。
「ね、やっぱり、ふつう学級はいいよね」
「ふつう学級の良さは、学校を終えてからの方がよくわかる。」
それは、私のことだった。
出会った子どもたちが学校を終えるたびに、ずっとそのことを考え続けている。
『やっちゃんがいく』という絵本を書いたのは、やっちゃんが8才のとき。
8才のやっちゃんと8才のわたし。
あのころは、私の方がましだと思ってたけど、高校時代はやっちゃんの方がはるかに優等生だった。
そのやっちゃんが先日、高校を卒業♪
精勤賞をもらったらしい♪ヽ(´▽`)/
同い年のこうちゃんもひろくんも高校卒業とメールが届く。
みんな、おめでとう♪
「ふつう学級の良さは、学校を終えてからの方がよくわかる。」
就学相談会のときに出会った6才の子どもたちが、
毎年、高校を卒業していく。
そのたび、子どもたちの姿は12年、13年のあいだの苦労と成長が重なる。
ふつう学級とは何だったのか。
ふつう学級で子どもたちは何をしているのか。
子どもたちはそこで何を探し、何をみつけ、大切にポケットの中にしまい込んでいるのか。
十年、二十年、三十年…。
ずっと探り続けているけど、ポケットの底はまだみえない。
「ふつう学級の良さは、学校を終えてからの方がよくわかる。」
だから、ほとんどの人が気づかない。
でも、心の底では知っているから、覚えている。
明治生まれのじいちゃんが亡くなる前、学校の思い出を尋ねたら、学校なんかろくに行ってねーからといいながら、同級生はもう二人しか残ってないと言った。
人生の最後まで同級生は同士だと知った。
そしてまた、おばあちゃんが入院して二百何日目に死んだとぽつりと言ったとき、私はその三桁の数字がおじいちゃんの一番大切なものを表しているのだと思った。
大切な家族と大切な友だちがいつもそばにいて、守られていたことを人は忘れないのだと知った。
もう30年以上経つけど、そのときのじいちゃんの声を、まだ覚えてる。
「ふつう学級の良さは、学校を終えてからの方がよくわかる。」
じいちゃんのことを書いているのに、たっくんやけいちゃんが話しかけてくる。
「人生の最後まで同級生は同士だと知った…」
そうだね、言葉が足りなかったね。
最期のその先まで、魂はいっしょだね。
今年の「就園・就学相談会」の予定が3つ決まりました。
6月26日(日)午後 松戸市ふれあい22
7月10日(日)午後 千葉市きぼーる
9月11日(日)午後 千葉市きぼーる
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