ワニなつノート

《ホームN通信・2023》③ 《「何もしない」をする私》

「何もしない」を「する」とは、どういうことか?

ここで、私は何をしているのか?

         □   

 

《私のしていること》(その1)

 

自分が、相手に理解されていないことを知る。

聴こえていない声があること、を知る。

子どもの声を聴くということは、ただ言葉の意味を理解することではない。その前に、自分が、相手に理解されていない距離を知らなければならない。

           □

 

《私のしていること》(その2)

 

「自立」の主人公は「相手」であって、私ではない。

だから、私が「相手を操作する、動かす」を、しない。

ホームは、相手が主体的に「選んだ」のではない。

他に行くところがないから、という「強制」でもある。

だから、まず相手に「主体」を返すことから始める

           □

 

《私のしていること》(その3)

 

相手が主人公だから、相手に聞く。

「これから、あなたは何をしたいですか?」

「あなたがしたいことのために、私に手伝えること、私にできることはありますか?」

相手の目標が明確なら、支援の形も見えやすい。だけど、それを「貯める時間」を奪われてきたのだから、すぐには答えられない。

だから、相手の話し方、身構え方、制限のないときの暮らし方を聴く。相手の居方を聴く。

そのために、こちらからは「何もしない」。相手の「主体」を待つ。

           □

 

《私のしていること》(その4)

 

相手のことばを、相手の「つながりのなかで聴く」ために、「なぜと問うこと」をしない。

「余計なこと」をしない。その子の過去を否定しない。

その子のいまを否定しない。その子の物語を奪わない。

子どもの声を聴くとは、その子の物語の、そのつながりのなかで聴く、ということ。

その子の物語のなかに入れてもらえなければ、「その子のつながりのなかで聴く」ことはできない。

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