《何もしない》で、私はここで何をしているのか。
「do nothing」。《何もしない》をしている。
《何もしない》時を溜めながら、ここで、ともに、生活している。
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《何もしない》ための住居は提供する。食事を提供する。
「何かしても、しなくても」大丈夫な「居ること」を提供する。
「急いでも」いいし、「後回し」にしてもいい、「居ること」を提供する。自分の気分次第で何を「選んでも」、「選ばなくても」いい、「ちゃんとしても」、「間違うことがあっても」いい、そんな「居方」を提供する。
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聞かれれば、知ってることは答える。手を貸すように知恵を貸す。知らないことは一緒に調べながら、「手を借りるように知恵をかりる」時を溜める。
そこから、一人の子どもの「学びのスタイル」もみえてくる。
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命令しない、縛らない、直さない、怒らない、そういう余計なことは《何もしない》。
生活のなかでの「待つ」を提供する、「聴く」を提供する、「応える」を提供する。
「自分のことを、自分抜きで決められる」怖れのない生活を提供する。
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そんな安全な生活の繰り返しにより、つながりの神経系も回復する。そのために、「何もしない」をする。(do nothing)
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ふつう学級に「居るだけでいい」。
「重度の障害のある子こそ、ふつう学級がいい」。
その、「居るだけ」も、こういうことだったね。