あーちゃんがいく (その7)
《3月2日》
月曜日は4時間なので、迎えに行く時間も
いつもより早くてあっという間。
ちょっと早めに着いたので、廊下の文庫で絵本を眺めていると、
授業が終わったらしく、教室の廊下から
「あーちゃんのお母さん!!」と手を振る男の子が。
手を振り返し、教室前の廊下へ行くと、
その男の子H君が、「あーちゃんは大丈夫!無事です!!」
なんて正義感たっぷりに言うものだから、笑ってしまいました。
ただ昨日は落ち着かない日だったようで、
教室からの抜け出しなどが多かったようで、
先生達は大変だったようです。
帰り道も信号のある幹線道路を、
母から逃げることしか頭になくて、
赤信号のまま突っ切ってしまって、
母は生きた心地もしませんでした。
これには早く手をうたねば!と思うのでした。
H君が「無事です!」と言ってくれたのに、
こんなところで事故にあってしまうのは不本意です。
元気に3年生になりたいものです。
先日、クラスの集合写真をいただきました。
カメラを向けるといつも仏頂面の娘なのに、
飛びっきりの笑顔で写っていました。
私のお宝ベスト10の上位になりそうです。(笑)
《3月4日》
1人で学校生活を送るようになって、
めいいっぱい頑張っている娘ですが、
毎日頑張って疲れがでてきたみたい。
マイペースでいいんだよ。
そんなメッセージを伝えたい毎日です。
《3月6日》
小児神経外来の定期受診。
4校時授業なので帰りの会でさよならして、
病院へ行こうと予定していたら、
30分前に学校から電話連絡あり。
清掃の時間に発作とのこと。
急いで学校へ迎えに行って、
落ち着いたところで娘を引き取って下校。
まっすぐ病院へ。
娘も大きくなって27、8キロ。
駐車場から眠ってしまった娘を無理無理おんぶして、
病院で受付を終える。
もうそろそろおんぶも限界かな。
普段は自立歩行に支障は無いけれど、
急な発作後睡眠で移動困難になることを考えると、
車椅子等の準備が必要になるのかなと思うようになってきた。
病院でも大きな体で、待合室にあるベビーベッドで爆睡。(笑)
主事医と話し終わって、
帰るぞという段になってやっとお目覚め。
でもまだ眠気を引きずっている様子。
受診に関してはそれほど心配事はなく、
現状維持できればといった感じです。
主治医にも話したのですが、
通常学級で過ごすことの緊張感と、
周りの子供たちとの関わりが刺激となっている。
発作も1ヶ月通してみてみると軽減しているし
(時々起こる大きな発作は仕方なしと思っている)、
生活のメリハリがついてきているように感じる。
主事医もそれに関して、
「確かに周りが大変なことは事実だけれども、
本人のためにはいいことです」と言ってくださった。
他の医師や福祉関係者・学校関係者は、
「本人のため」と言いながら、
実は大人の都合を優先しているが、
純粋に本人のためにいいこととは
こういうことを言うのではないのかと私は思う。
一人でも専門家の中に、本当に娘本人にとっていいことを、
言葉にしてくれる人が居てくれて、
私は世の中捨てたモンじゃない。と思える。
□ □ □
今日の一言は、なんといってもこれ!
「あーちゃんはだいじょうぶ! ぶじです!!」
もしその場にいたら、
「なに言ってんだよ。おまえはぁ」とつっこみます。
「な・に・が・だいじょうぶな・ん・だ・よ」と
ほっぺたをビヨーンとしたくなります(-。-)y-゜゜゜
でも、これを読んで以来、ふいに声が聞こえるときがあります。
「ダイジョーブ、ブジデス…」
「何?」って思っていると、
「あーちゃんは、だいじょうぶ! ぶ・じ・で・す!」と
ゆっくり子どもの声が聞こえるのでした。
それから、おまじないのように声がつづきます。
「○くんは大丈夫! 無事です!」
「Haruくんは大丈夫! 無事です!」
「やっちゃんは大丈夫! 無事です!」
「ナオちゃんは大丈夫! 無事です!」
「まなちゃんは大丈夫! 無事です!」
えりちゃんは…なっちは…ともくんは…、ゆうたは…、
マサヤは…、カズキは…と、そんなふうに、
「子どもはみんな、ぶ・じ・で・す」と声が聞こえます。
しあわせな気持ちになります。
学校の先生も、これくらい気が利くセリフを
言えるようになればいいのに、と思います。
小学校でも、中学校でも、高校でも、
こんなゆとりのある関係があればいいのに。
通知票も、○とか△とか、1とか5とかじゃなくて…。
「こくご=あーちゃんはぶじです」
「さんすう=あーちゃんはぶじです」
そんな通知票なら、楽しいのにね。
学校の中のこと。
子どもの世界のこと。
親が知らなくていい世界のこと。
報告は、こんな一言で、ちょうどいいのにね。
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