医療的ケアの今後の対応について(通知)
文科初第1344号
平成23年12月20日
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国立大学法人学長
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長 殿
文部科学省初等中等教育局長
山中 伸一
このたび、「特別支援学校等における医療的ケアの実施に関する検討会議」において、「特別支援学校等における医療的ケアへの今後の対応について」(平成23年12月9日)が取りまとめられました。
介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律による社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正に伴い、平成24年4月より一定の研修を受けた介護職員等は一定の条件の下にたんの吸引等の医療的ケアができるようになることを受け、これまで実質的違法性阻却の考え方に基づいて医療的ケアを実施してきた特別支援学校の教員についても、制度上実施することが可能となります。
本報告は、新制度下において特別支援学校が医療的ケアを行うに当たっての基本的な考え方や体制整備を図る上で留意すべき点や、今回の制度が幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校においても適用されることを考慮し、特別支援学校での実施経験等を踏まえ、小中学校等において医療的ケアを実施する際に留意すべき点等について取りまとめられたものです。
文部科学省においては本報告を受け、今後、特別支援学校及び小中学校等において、新制度を効果的に活用し、医療的ケアを必要とする児童生徒等の健康と安全を確保するに当たり留意すべき点等について別添のとおり整理いたしました。
関係各位におかれましては、その趣旨を十分御理解の上、適切な対応をお願いするとともに、各都道府県教育委員会におかれては所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して、各指定都市教育委員会におかれては所管の学校に対して、各都道府県知事及び構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては所轄の学校及び学校法人等に対して、各国立大学長におかれては附属学校に対して周知を図るようお願いします。
なお、同検討会の報告書については別紙のとおりであり、文部科学省のホームページに掲載されておりますことも併せて申し添えます。
(本件連絡先)
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課振興係
TEL03-5253-4111(内線3192)
FAX03-6734-3737
別添 特別支援学校等における
医療的ケアへの今後の対応について
(一部抜粋)
文部科学省
平成23年12月20日
1.はじめに
介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律による社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正に伴い、平成24年4月より一定の研修を受けた介護職員等は一定の条件の下にたんの吸引等の医療的ケアができるようになることを受け、これまで実質的違法性阻却の考え方に基づいて医療的ケアを実施してきた特別支援学校の教員についても、制度上実施することが可能となる。
文部科学省においては、
1.対象となる幼児児童生徒(以下「児童生徒等」という。)の実態や特別支援学校の実施経験等を踏まえ、新制度下において特別支援学校が医療的ケアを行うに当たっての基本的な考え方や体制整備を図る上で留意すべき点
2.今回の制度が幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校(以下「小中学校等」という。)においても適用されることを考慮し、特別支援学校での実施経験等を踏まえ、小中学校等において医療的ケアを実施する際に留意すべき点
などについて整理を行うべく、本年10月に「特別支援学校等における医療的ケアの実施に関する検討会議」(初等中等教育局長決定)を設置し、有識者による議論が行われた。
今般、当該検討会議において報告書が取りまとめられたことを受け、文部科学省として、今後、特別支援学校及び小中学校等において、新制度を効果的に活用し、医療的ケアを必要とする児童生徒等の健康と安全を確保するに当たり留意すべき点等について、以下のように整理した。
2.制度改正の概要
今般の改正により、一定の研修を受けた者が一定の条件の下にたんの吸引等を実施できる制度となる。制度改正の概要は以下のとおり。
(1)特定行為(実施できる行為)
・腔内の喀痰吸引
・鼻腔内の喀痰吸引
・気管カニューレ内部の喀痰吸引
・胃ろう又は腸ろうによる経管栄養
・経鼻経管栄養
4.特別支援学校以外の学校における医療的ケア
小中学校等において医療的ケアを実施する場合には、次のような体制整備が必要であること。
(1)小中学校等においては、3.2.(4)2.『特定行為を実施する場合には、対象者と特定行為を明示した主治医等からの指示書が必要であるが、特別支援学校における実施に当たっては、学校保健の立場から学校医、医療安全を確保する立場から主治医の了承の下に指導を行う医師(以下「指導医」という。)に指導を求めること。』
にあるような学校と保護者との連携協力を前提に、原則として看護師等を配置又は活用しながら、主として看護師等が医療的ケアに当たり、教員等がバックアップする体制が望ましいこと。
(2)児童生徒等が必要とする特定行為が軽微なものでかつ実施の頻度も少ない場合には、介助員等の介護職員について、主治医等の意見を踏まえつつ、特定の児童生徒等との関係性が十分認められた上で、その者が特定行為を実施し看護師等が巡回する体制が考えられること。
(3)教育委員会の総括的な管理体制の下に、各学校において学校長を中心に組織的な体制を整備すること。
また、医師等、保護者等との連携協力の下に体制整備を図ること。
お問い合わせ先 初等中等教育局特別支援教育課.(初等中等教育局特別支援教育課)
◇ ◇ ◇
文部科学省の通知文なので分かりにくい文章なのですが、学校や教育委員会の人でも目にすることがない文書だと思うので、ここに置きます。
会では、3年前に普通小学校・普通学級への入学を求めて、看護師配置の要望書を出して以来、毎年、医療的ケアを必要とする子どもに出会います。
かいとくんやはるなちゃんは、今年、もう3年生になります。
かいとくんたちが元気に学校に通っている姿と、この通知を見比べると、就学相談いろはカルタの「り」が、ここでも当てはまるのを感じます。
【り】
理解は あとから ついてくる
理解は この子が つくるもの
制度がなかったら、この子にあわせて、いま、つくればいいのです。
すべてのこどもたちの出会いと安心のために。
子どもを、誰一人、分け隔てることのないように。
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