障害児の高校進学相談会(その1)
相談会前はいつも、何を話せばいいのか迷う。
「障害があっても普通高校へ」、
そう言ってくれる人が、その子の周りには誰もいないかもしれない。
これが一度きりのチャンスかもしれないから、
だから、ちゃんと伝えたい、伝えなきゃと思う。
でも、何を……。
◇
…今回、ふと浮かんだことば。
『高校はどうしてあんなに、自信と誇りを与えてくれるのか。』
高校自体は、いまどきたいしたことじゃない。
いまの世の中、高校に行きたくても行けない子どもがいるなんて、誰も思わないだろう。
行かないとしたら、それは本人が勝手にそうしているのだろうと思っている。
義務教育じゃないから。本人が選んだのだろうと…。
たしかに、それは憧れ焦がれる「宝物」では、ない。
ほとんどの子どもにとって、義務教育と変わらない。
ただの中学校の次の学校に過ぎない。
どこにも行けないなんてことはない。
最後は、どこかしら行けるものだと思っている。
実際、中身もたいした宝物でもなければ、楽しくも面白くもないこともある。
だから毎年10万人もがやめていく。
でも、それを、宝物のように憧れ焦がれる子どももいる。
当たり前だと思っていたけれど、ほんとうは違った。
簡単に手に入るから、宝物じゃなくなる子がいて、
簡単に手に入らないからこそ、宝物となる子がいる。
「こんなもんなくてもいい」と思えるくらい、当たり前になって、忘れて暮らしたい。
その、たいしたことのない、「ありふれた日常」という宝物。
『高校は、あの子たちに、どうやってこれほどの自信と誇りを与えてくれたのか。』
それが、答えの一つだ。
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