7月4日のブログにまきちゃんのことを書いたあと、4年前の記事を思い出した。
私が普通学級の介助員をしていたとき、こっそり傷跡を見せてくれた女の子。
マキちゃんがTシャツの袖を肩まであげると、そこにはくっきりはっきり歯型が並んでいた。
しかも内出血で真っ黒な歯型。
「これは痛かったでしょ~、お母さん、びっくりしたんじゃない?」
まきちゃんはにこっと笑って首を振る。
「言ってないもん」
マキちゃんは噛まれたあと、絶対に泣いたと思う。
RIを気にかけてくれて、いつもそばにいてくれて、その分、八つ当たりされることも多くて、泣いている姿を何度も見かけた。
でも、マキちゃんはそれを、担任には言わない。
言えば、RIが怒られることが分かっているから。
子どもは、大丈夫な大人にしか本当のことを言わない。
その傷跡を私に見せてくれたのは、私がRIの両親と友だちなのを知っていたから。
お母さんに言えば心配するだろうし、でもその傷は、誰かに見せたくなるくらいインパクトのあるものだったと、今もおもう。
私の中では小3の小さな女の子のままだけど、数えてみると30代後半かな。
小さな女の子のお母さんになっていても不思議じゃない。
こんなとき、ふと思う。
あのまきちゃんがお母さんになっているとして、わが子でも、誰かの子どもでも、普通学級に障害児がいることに何の疑問もないだろう。
相談会では、「ふつう学級で、他の保護者から何か言われたらどうしよう…」という親の不安が聞かれる。
現実の社会には、いろんな面倒くさい人がいっぱいいるのは知ってる。
だけど、私の中には、「そんなこと、絶対にだいじょうぶ」という、子どもたちがたくさんいる。
その子たちが、親になって、同じ学級に障害児がいることで文句を言うなんてこと、絶対にありえない、という確信がある。
この確信と自信もまた、わたしの宝物だなとおもう。
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