ワニなつノート

Naoちゃん(1)



ここ数日、年末にふさわしく、
2008年に読んだものの一等賞を考えてみました。
私に大切なことを教えてくれたもの。

芹沢さんの『もう一度親子になりたい』、
山田泉さんの『命の恩返し』
向谷地さんの『べてるな人びと』
『ボーイズクリニック』……と、次々に浮かびます。

でも、やっぱり、私のなかでの今年の一番は、
ワニなつNO74の『水着にゴーグル』でした(・。・)

『水着にゴーグル』を読んで、すぐに頭に浮かんだのは、
アトムが横たわっている姿でした。
それから、修理中のアラレちゃんの首がしゃべっている姿。
3人の共通点は「無敵」。

Naoちゃんの「無敵」さは、順調に成長しています。

ここ2ヶ月ほど、『一等賞』の理由を書きたいと思っているのですが、
なかなかまとまりません。
書けるのは来年になりそうなので、とりあえず、受賞作を紹介します。

ちなみに、2008 『ワニなつノート』が選ぶ今年の一等賞
≪映像の部≫は、「潜水服は蝶の夢を見る」です。

これも、『一等賞』の理由がうまく書けないままです。


☆     ☆     ☆

2008 『ワニなつノート』が選ぶ今年の一等賞 
≪ことばの部≫ 

『水着にゴーグル』


季節はすっかり変わってしまいましたが、少し前の話しを。
夏休みに入る直前の保護者会が終わり、
帰ろうとした私に担任が声をかけてきました。
「せっかくですから、Naoさんの最近の学校での様子をお話ししましょうか?」

そこで、担任から驚愕の事実が明かされました。

「実は、Naoさんは先月、ほとんど席についてませんでした。
ずっと落ち着かず、廊下でゴロゴロ寝ていました」

「……?!」

「ゴロゴロしていると言っても、廊下で何をする訳でもなく、
ただまっすぐ天井を見上げて寝そべってるんです。
暑くて身が入らないってこともあったんでしょうが、
結局、Naoさんは6月の1ヶ月間をほとんど廊下で過ごしました。

もちろん声はかけたんですよ。
でも、無理やり教室に連れ戻すことはしませんでした。

毎日『これでいいのかなぁ?何もしないで過ごすのは、
もったいないんじゃないかなぁ…?』と思いましたが、
お母さんから『他の教材は与えないでください』と言われていたので…」

担任の話しは続きます。

「ところが7月に入ったら急にヤル気が出て、
何事にも積極的に取り組むようになったんです。
見てください! 
これらの作品は全部7月に入ってからのものです」

見ると、みんなの作品と並んでNao独特のタッチで、
習字、絵、作文などが飾られていました。

そんなことより、私が一番びっくりしたのは、
Naoが1ヶ月もの間そんな状態だったにもかかわらず、
よく担任が私に何も言わなかった…ということです。

「こんな状態なんですけど、お母さん、どうしましょう?」とか、
「最近、落ち着かないんですけど、家ではどうですか?」とか、
なにか言われても仕方がない状況だったのに、
担任は私に何も言わなかった!

「どうしましょう?」と聞かれても、どうしようもない。
「家ではどうですか?」と聞かれても、家では何ら変わりはない。

…私に何を相談されても答えようがなかった。
よくぞ、よくぞ担任は私に何も言わなかった! 

そして、よくぞ1ヶ月もの長い間、
廊下で天井を見上げたままのNaoを見守り続けてくれた!(>_<)

6月の1ヶ月間、落ち着かなかったNao…

…私には思い当たるふしがありました。

5月の終わり、小学校最後の運動会で、
Naoがいる赤組が負けてしまったのです。

その落胆ぶりは相当なもので、閉会式が終わっても
グラウンドの自分の席で号泣し続け、
同級生が黙々と片づけをしている間も延々と泣き続け、
ようやく帰宅したと思ったら、
「赤組負けた~!やだ~!」と、思い出しては泣いて、
思い出しては泣いて…の繰り返しだったのです。

まるでこの世の終わり…と言わんばかりのその落ち込みようは、
まさに「燃え尽きた」という感じ。
心にポッカリ穴が開いてしまったようでした。

6月のNaoは、きっとその後遺症だったのではないでしょうか。
…あくまで私の想像ですが。  

(つづく)
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