ひさーしぶりにエピソード10を書いたら、「9」が抜けていたようです。
パソコンを探したら、年末に書きかけの「9」がありました。
《今年の終わりに4編の詩を》というタイトルがあり、12月に子どもが一人出ていってしまったことなどが書いてありました。
ただ、肝心の4編の詩が書きうつしてなく、どの4編なのか、不明です。
一つだけ分かるのは、石垣りんの「表札」という詩です。
どうして分かるかというと、その詩一つを手元に置きたくて、本屋さんに走ったからです。
この詩の入った詩集を、この詩一つを読みたくて、買いました。
この詩を読むたび、四方八方にいろんなことを感じるのですが、言葉にできません。
どの子も普通学級へ。
0点でも高校へ。
そして子どもが自立するということ。
その大事なことが、ここにはいっぱい書かれているのだと、読み返すたび思うのですが、それを表す自分の言葉が見つかりません。
表札
石垣りん
自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる。
自分の寝泊りする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。
病院へ入院したら
病室の名札には石垣りん様と
様が付いた。
旅館に泊つても
部屋の外に名前は出ないが
やがて焼場の鑵(かま)にはいると
とじた扉の上に
石垣りん殿と札が下がるだろう
そのとき私がこばめるか?
様も
殿も
付いてはいけない、
自分の住む所には
自分の手で表札をかけるに限る。
精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない
石垣りん
それでよい。
◇ ◇ ◇
この詩を読むと、いつも、最後の一行の後に、自分の知っている子どもの名前が一人一人浮かび、○○○それでよい。△△△それでよい。とつい呪文のようにつぶやいてしまいます。
コメント一覧
ai
最新の画像もっと見る
最近の「ホームN通信」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- ようこそ就園・就学相談会へ(471)
- 就学相談・いろはカルタ(60)
- 手をかすように知恵をかすこと(28)
- 0点でも高校へ(395)
- 手をかりるように知恵をかりること(60)
- 8才の子ども(161)
- 普通学級の介助の専門性(54)
- 医療的ケアと普通学級(90)
- ホームN通信(103)
- 石川憲彦(36)
- 特別支援教育からの転校・転籍(48)
- 分けられること(67)
- ふつう学級の良さは学校を終えてからの方がよくわかる(14)
- 膨大な量の観察学習(32)
- ≪通級≫を考えるために(15)
- 誰かのまなざしを通して人をみること(133)
- この子がさびしくないように(86)
- こだわりの溶ける時間(58)
- 『みつこさんの右手』と三つの守り(21)
- やっちゃんがいく&Naoちゃん+なっち(50)
- 感情の流れをともに生きる(15)
- 自分を支える自分(15)
- こどものことば・こどものこえ・こどものうちゅう(19)
- 受けとめられ体験について(29)
- 関係の自立(28)
- 星になったhide(25)
- トム・キッドウッド(8)
- Halの冒険(56)
- 金曜日は「ものがたり」♪(15)
- 定員内入学拒否という差別(92)
- Niiといっしょ(23)
- フルインクル(45)
- 無条件の肯定的態度と相互性・応答性のある暮らし(26)
- ワニペディア(14)
- 新しい能力(28)
- みっけ(6)
- ワニなつ(351)
- 本のノート(59)
バックナンバー
人気記事