ワニなつノート

エピソード9

エピソード9


ひさーしぶりにエピソード10を書いたら、「9」が抜けていたようです。
パソコンを探したら、年末に書きかけの「9」がありました。

《今年の終わりに4編の詩を》というタイトルがあり、12月に子どもが一人出ていってしまったことなどが書いてありました。
ただ、肝心の4編の詩が書きうつしてなく、どの4編なのか、不明です。


一つだけ分かるのは、石垣りんの「表札」という詩です。

どうして分かるかというと、その詩一つを手元に置きたくて、本屋さんに走ったからです。
この詩の入った詩集を、この詩一つを読みたくて、買いました。

この詩を読むたび、四方八方にいろんなことを感じるのですが、言葉にできません。
どの子も普通学級へ。
0点でも高校へ。
そして子どもが自立するということ。
その大事なことが、ここにはいっぱい書かれているのだと、読み返すたび思うのですが、それを表す自分の言葉が見つかりません。



   表札

石垣りん


自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる。

自分の寝泊りする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。

病院へ入院したら
病室の名札には石垣りん様と
様が付いた。

旅館に泊つても
部屋の外に名前は出ないが
やがて焼場の鑵(かま)にはいると
とじた扉の上に
石垣りん殿と札が下がるだろう
そのとき私がこばめるか?

様も
殿も
付いてはいけない、

自分の住む所には
自分の手で表札をかけるに限る。

精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない
石垣りん
それでよい。


    ◇      ◇       ◇


この詩を読むと、いつも、最後の一行の後に、自分の知っている子どもの名前が一人一人浮かび、○○○それでよい。△△△それでよい。とつい呪文のようにつぶやいてしまいます。

コメント一覧

ai
アホやない
人間ですから。
障害名じゃなく、
僕を知ってほしい。
名前を覚えてほしい。
僕自身を知ってほしい。
名前:
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