ふつう学級での「生きられた経験」(その1)
そこでの生活が始まる前は、一度も「体験したことのない」環境と生活スケジュール。
その今まで「生きたことのない体験」を、生き生きとやり抜いていく姿と関係を、私たちは見せてもらってきた。
この子には「まだ難しい」とか、「無理」と言われていた「ふつうの子ども体験」を、ちゃんと「生きている」子どもたちがいる。
見ようとする気持ちさえあれば、目の前にある。
その膨大な数の体験を目にすることは難しいことではない。
共に育つ学校という経験を通して、「それ以前には生き抜くことが不可能と思われていた事態」を、子どもたちは「生き抜くことができる」ようになるということ。
就学猶予免除と養護学校義務化からの40年近い歴史の真実の一つはこれだ。
「ふつう学級での経験」は、障害のある自分のままで、自信と安心と自由を感じながら「生きられた経験」であるということ。
子どもたちが見せてくれた、ふつう学級のなかでの「生きられた経験」が、どのようなものであるか。
大人になってもずっと続いている、大切なものを言葉にしてみたいのだけれど。
(つづく)
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