この子の「存在の願い」を私はかなえる(その3)
《大事にされていると感じること》
自分が何者かわからないときには、大事にされていることはわからない。
自分が何者かわからないときは、相手が何者かもわからない。
大事にされていることが、分かるということ。
大事にされている自分を、感じるということ。
それは、自分が何者であるかを、感じる「主体感覚」が育つということ。
初めに大事にしてくれるのは親や家族とそして友だち。
その「自分」と、自分を大事にしてくれる「世界と人間」を感じること。
社会への信頼、人間への信頼を手に入れるということ。
成長し、確立されつつある自己と、信頼できる他者の存在。
それによって、子どもはこれから先の長い人生を恐れないで生きていける。
《子どもが安全を感じること》
親から捨てられ、虐待され、大事にされないことが、子どもに何をのこすか。
子どもが失うのは、親と住む家と食べ物だけじゃない。
大事にされる存在である自分、恐れなくていい出会いと社会への信頼に、つまづく。
信頼できる学校の仲間がいることの、贈り物。
幼く未熟だった自分を信頼して、「子ども社会=学校」に送り出す
そこで子どもが安全に感じること、一人の子どもとして大事にされていることが、自分の障害と向き合うための一歩でもある。
子どもが安全に感じることは、自分の恐れや不安と向き合うための必要条件なのだから。
「いまは恐れないでいられる」
そのことが、どれほど大切なことか。
「大事にされている」
そう感じられる環境に子どもが一人でたどり着くことが、どれほど大切なことか。
障害とか虐待とか貧困とか、本当に必要な支援は、「大事に思われている」と子どもが感じられること。
最新の画像もっと見る
最近の「無条件の肯定的態度と相互性・応答性のある暮らし」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- ようこそ就園・就学相談会へ(468)
- 就学相談・いろはカルタ(60)
- 手をかすように知恵をかすこと(28)
- 0点でも高校へ(395)
- 手をかりるように知恵をかりること(60)
- 8才の子ども(161)
- 普通学級の介助の専門性(54)
- 医療的ケアと普通学級(90)
- ホームN通信(103)
- 石川憲彦(36)
- 特別支援教育からの転校・転籍(48)
- 分けられること(67)
- ふつう学級の良さは学校を終えてからの方がよくわかる(14)
- 膨大な量の観察学習(32)
- ≪通級≫を考えるために(15)
- 誰かのまなざしを通して人をみること(133)
- この子がさびしくないように(86)
- こだわりの溶ける時間(58)
- 『みつこさんの右手』と三つの守り(21)
- やっちゃんがいく&Naoちゃん+なっち(50)
- 感情の流れをともに生きる(15)
- 自分を支える自分(15)
- こどものことば・こどものこえ・こどものうちゅう(19)
- 受けとめられ体験について(29)
- 関係の自立(28)
- 星になったhide(25)
- トム・キッドウッド(8)
- Halの冒険(56)
- 金曜日は「ものがたり」♪(15)
- 定員内入学拒否という差別(88)
- Niiといっしょ(23)
- フルインクル(45)
- 無条件の肯定的態度と相互性・応答性のある暮らし(26)
- ワニペディア(14)
- 新しい能力(28)
- みっけ(6)
- ワニなつ(351)
- 本のノート(59)
バックナンバー
人気記事