「目覚める獅子 中国」

2019-11-20 14:02:08 | 「目覚めた獅子 中国」

       「目覚める獅子 中国」

 

 かつて清王朝時代には西欧諸国から「眠れる獅子」と怖れられた

大国中国はどうやら目覚めたようだが、眠っている間に世界は目眩

く移り変わっていることに気付いていないのか、前近代的な覇権主

義を振りかざして自国内の異民族社会や異文化社会、或は近隣諸国

にまでも帝国主義的な威嚇による干渉を強めている。当局はすでに

香港の学生たちによる過激化した民主化運動を鎮圧するために武力

介入も示唆しているし、それどころかかつて独立した自治を認めら

れていたチベット、ウィグルもすでに宗教弾圧によって自治を奪わ

れ、従わない者への「肉刑」による悲惨な制裁が常態化している。

にもかかわらず、世界は「目覚めた獅子」による暴虐を見て見ぬふ

りをしている。遠く隔てられた西欧世界はそれほど差し迫った危機

感に迫られないかもしれないが、今まさに東アジアでは中国の脅威

がジワジワと押し寄せている。香港への介入はもとより、かつて宗

属関係にあった韓国には北朝鮮との統一を働きかけて柵封体制への

帰属を迫り、韓国の反日政治はただ韓国だけの政治選択というより

も裏で「目覚めた獅子」が経済力を背景に旧交を迫っているのは明

白である、ただ、自由主義社会の薫風を嗅いだ国民が社会主義体制

を易々と受け入れることは、香港の例を見るまでもなく、絶対にあ

りえないし、さらに一方のあの独裁者一族がこれまで行なってきた

非人道的な制裁を忘れ去ることなど到底できないだろう。つまり、

朝鮮の統一は金一族の失脚なしには果たせないが、いかに韓国が赤

化しても、金正恩は統一化の握手を拒むに違いない。そして、次に

台湾の帰属問題へと進展すれば、何れその矛先は日本列島に向けら

れる、過去の侵略への報復を口実に。 

 さて、モンロー主義へと回帰したトランプ政権のアメリカの下で、

わが国の国防はいかにあるべきかと言えば、もっとも手っ取り早い

方法はアメリカとの同盟関係を破棄して、かつてのように宗主国中

国の柵封体制の下で韓国と同調して柵封国として服従することであ

る。そうすれば、日韓・日朝関係も柵封国同士の揉め事はたぶん宗

主国中国が間に入って治めてくれるに違いない。その時、わが国の

積年の夢だった「大東亜共栄圏」が宗主国中国の下で達成できるの

だ。非核三原則は中国の核の傘の下で継続することだってできる。

そんな転向ができるわけがないというなら、わが国はたかだか75

年前は今は同盟関係にある米国を「鬼畜米英」と罵って「アジアは

一つ」のスローガンの下に、国の存亡をかけて戦ったことをまさか

忘れたわけではないだろう。大戦中にいったい誰が日米軍事同盟の

締結を予感しただろうか?それに比して日中関係は何千年も前から

続いているのだ。

 と、まあ上の主張はこれまで私が言ってきたことと正反対の意見

だが、しかし、アメリカが東アジアでのプレゼンスを撤退させ孤立

主義へ回帰すれば、当然、反米主義の二大国 中露が極東への干渉を

強めることはまず間違いないだろう。「自国ファースト」を掲げる

アメリカと、「一帯一路」を掲げて覇権国家を目指す隣国の中国と、

どちらが脅威であるかは明白である。韓国国民は文在寅を選んだこと

で中国との関係を選んだ。 

                         (つづく)