「あほリズム」
(423)
生物の食物連鎖の頂点に位置する肉食動物は、捕食する草食動物
の頭数よりも増えることは当然ない。少し前に「肉欲」に関心の薄
い若い男性を「草食系男子」と言ったが、世界の人口が爆発的に増
えて、それでも社会秩序を保って生きていくためには、近代人は必
然的に「草食化」するしか道はない。限られた世界の中で肉食動物
のように「縄張り」に拘っていては生きられない。「草食化」は生
存環境がもたらした生存手段である。肉欲、つまり性欲とはそもそ
も生殖本能であるならば、飽和化した社会の下で生殖本能が萎える
のも仕方のないことである。
(424)
野生動物の世界では、草食動物が増えれば当然それを捕食する肉
食動物も増え、食物連鎖のバランスが維持されて草食動物の増殖は
抑えられるが、野生を捨てて理性によって管理された人間社会では
飽和の限界を超えた時、別の方法によって増え過ぎた草食系人類を
減らそうとする。つまり戦争によって。