「スタグフレーション(stagflation)」

2022-06-19 11:00:52 | 「第三次世界大戦前夜」

     「スタグフレーション(stagflation)」


「スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーシ

ョン(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいいます。

この名称は、景気停滞を意味する『スタグネーション(Stagnation)

』と『インフレーション(Iinflation)』を組み合わせた合成語です。

通常、景気の停滞は、需要が落ち込むことからデフレ(物価下落)

要因となりますが、原油価格の高騰など、原材料や素材関連の価格

上昇などによって不景気の中でも物価が上昇することがあります。

これが、スタグフレーションです。景気後退で賃金が上がらないに

もかかわらず物価が上昇する状況は、生活者にとって極めて厳しい

経済状況といえます。わが国では、1970年代のオイルショック後に

この状態となっていました。」(SMBC日興証券HP内「初めてでも

解りやすい用語集」より) https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/su/J0293.html 

 要するにわが国の経済は「スタグフレーション(stagflation)」へ

突入したと言えのではないだろうか。ところで凡そ百年前には、

第一次世界大戦が勃発し(1914年~1918年)、スペイン風邪

のパンデミックが起こり(1918年~1919年)、ついには世界

恐慌(1929年10月24日「暗黒の木曜日」~1933年まで

の五年間に及ぶ【旺文社世界史辞典三訂版「世界恐慌」の解説】

より)に襲われた。それは「暗黒の木曜日」ともよばれる最大・最

長の恐慌で,日本・ドイツを除いて,主要国が恐慌前の水準に回復

するのに10年かかった。各国は,ブロック化による景気回復や,日

独のような対外進出や軍備増強をはかり,第二次世界大戦(1939

年~1945年8月の日本の降服まで)の大きな誘因となった。(【

同上】より)

 今、およそ百年前に起こったこれらパンデミック、戦争、経済恐

慌が再び現実味を帯びて迫ってきているが、もしも人為的に避けら

れることがあるとすれば戦争にちがいない。果たして我々は「同じ

ものの永劫に回帰する歴史」を回避することができるのだろうか?


「いずれ消滅する日本」

2022-06-12 16:25:21 | 従って、本来の「ブログ」

          「いずれ消滅する日本」


 米・テスラ社CEOのイーロン・マスク氏がツイッター上で「出

生率が死亡率を超えることがない限り、日本はいずれ消滅するだろ

う」と発言したことは当然のことながら我が国でも大きな反響を呼

んだ。ただ日本政府も手を拱(こまね)いているだけではなく様々な

対策を講じているようだが未だ出生率が改善されたとは聞かない。

そもそもこの国の国民の定数が何人までであるべきなのかは決めら

れていないし、有史以来増殖し続けてきた日本人の人口が限られた

領土の下で今日に到って初めて減少に転じたとすれば、それは生物

学的な自然淘汰がもたらす適正人口の限界であると捉えるべきでは

ないだろうか。だとすれば、数字だけを捉えて出生率を高めようと

しても、つまり国がいくら「産めよ増やせよ」を呼び掛けてもうま

くいくはずはない。たとえば少子高齢化の一因とされる科学医療技

術の進歩は、仮に医療技術が不老不死の技術でも発明しない限り心

配はいらない、いくら高齢化が進んだとしても人は必ず死んで逝く

。おそらく出生率の増加は、死亡率の増加によって人口が減少した

あとに産め(埋め)戻されるにちがいない。ただ、もはや今日のよう

な限界に達した日本の人口が更に増殖されることはおそらくないだ

ろう。

 ところで、近代科学がもたらす豊かさは先進諸国では少子化によ

る人口減少問題に悩まされているが、ところが、その一方で科学技

術による医療技術の進歩によって世界人口は増加の一途をたどって

いる。国連が発表した「世界人口推計2019年版」によると世界人口

は現在の77億人から、2050年には97億人、そして、「世界人

口が今世紀末頃、ほぼ110億人でピークに達する可能性があると

結論づけています。」 https://www.unic.or.jp/news_press/info/33789/

 つまり、こと人口問題について言えば、途上諸国は医療技術など

の科学技術の進歩によって死亡率が低下して人口は増加しているに

も係わらず、科学社会である先進諸国ではそれとは反対に少子化に

よる人口減少が進んでいるのは何故だろうか?

 そもそも先進諸国はいずれも科学主義によって構築されている。

そして近代科学を規定するのは我々の理性である。ところが、我々

の理性は科学技術の発達によって確かに一部の生成に関与すること

ができるようになったが、しかし依然として生命そのものを「制作」

することはできない。つまり、理性に規定された近代科学文明社会

は様々な社会秩序を規定しても、唯一生命の誕生という生成の仕組

みを規定することまではできない。つまり、先進諸国が出生率を思

い通りに規定できないのは、生命の誕生は理性が規定できない生成

から派生する本能に依存しているからである。そして、それとは反

対に途上諸国は出生率も死亡率も生成から派生する本能に委ねられ

ている。そもそも全ての動物が規定されている本能は自らの子孫を

できる限り多く残すために、つまり出生率を高めるためだけに生き

ている。増殖は動物の本能である。こうして、理性に委ねる先進諸

国と本能に委ねる途上諸国の違いが出生率の違いとして現われる。

つまり、出生率をそれぞれの理性に委ねる限り回復することはない

だろう。もしもあるとすれば、不謹慎だが唯一、戦争によって多く

の命が亡くなった時に違いない。戦後の団塊の世代はそうやって産

められた。