昨年もそうだったが、今年も、どうした訳か、本来『京都シネマ』で最初にやるはずの映画が他館で封切られることが多く、見る映画館が分散された。映画館(上映主催者)は数ある作品の中から上質な映画を《選んで》上映する《義務》があると思うのだが、『京都シネマ』で上映される映画のうち、「これ本当に、中身を見てから看板に掛けているのか?」と疑いたくなるようなものが散見された。もちろん、個人の好みも違うから「何人も納得させるようなものを選ぶ」という作業は難しいと思うのだが、どうも最近の「京都シネマ」の傾向は、【自分の趣向】と少しずれてきているように感じた。
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オスカー・シンドラーとか杉原千畝とか、ナチスの横暴から人々を救ったという話は以前に何度も聞いたことがあったが、「ニコラス・ウィントン」という名は初めて聞く名前だった。それもそのはずで、戦後40年以上もたった1980年の後半に、その妻によって屋根裏部屋から1つの『記録簿』が見つかり、初めて〝その事実”が分かったということだった。 . . . 本文を読む
もうだいぶ前、10年ほどにもなろうか、『パラダイス・ナウ』という映画を見た。今日の『オマールの壁』を見たらその映画のことを思い出した。調べてみたら、同じ監督の作品だった。
今回の映画は「分断壁」がパレスティナの住民にもたらす悲劇、【民族の分断】と【青春の分断】の話である。 . . . 本文を読む
相場英雄はそれまで名前も知らなかったが、夏に読んだ『ガラパゴス』が圧倒的に良くて、いっぺんに気に入ってしまった。『震える牛』もさっそく読んで、この作家のアイデンティティが分かったような気がした。そして今回の『共震』、思わず身震いしてしまった。 . . . 本文を読む