『人新世の「資本論」』の読書感想記録(1) . . . 本文を読む
最近、新訳の『資本論』が発売されたところでもあって、この機会に「若い研究者が新たな研究成果を発表したな!」くらいの軽い気持ちで、本屋の店頭を通り過ぎていたのだが、ひょんな機会で、読むことになって、「はじめに」を読み始めたら止まらない。 . . . 本文を読む
「今、東大生に一番読まれている本」などと書かれていると一歩引いてしまうが、読んでみたら納得。何となく分かっているような『民主主義』の概念を、様々な角度から網羅的に紐解いた本。 . . . 本文を読む
「平成」が終わり「令和」が始まって、即位の儀式で世間が騒ぐ中、2006年に出版された板垣恭介の本『明仁さん美智子さん、皇族やめませんか』改めて読んでみる。ざっくばらんの語り口で、なかなか示唆に富んだ内容豊かな名著である。 . . . 本文を読む
自分が読んでいる小説のことなどはめったに話をしない妻が、ある日思いついたように「これいい」というではないか。『おもかげ』の連載が終了に近づいていた頃だった。 1ヶ月ほど前、ネットで予約注文していた本が発売日である12月1日にようやく届く。《そんなにまで言うんなら》と、本を取り上げ、私が読んでみる。 . . . 本文を読む
この本で興味を待ったのは、元副総理のかの有名な問題発言、『ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか』発言と、本書後半の「第5章」に展開されている『「過去の克服」がドイツ憲法を強くした』に関連した項目だ。つまり、戦後日本の「それ」とドイツとの違いである。
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1945年から2015年までの「戦後70年間」を10年ずつの7つの期間に区切り、それぞれの区間で発刊させた「岩波新書」3冊を取り上げ、論評している。
単なる《本の紹介》程度に思って読み始めたが、三者三様の『読みの深さ』、『内容の豊かさ』、『視点の鋭さ』に引きずられて読み込んでしまった。 . . . 本文を読む
「アメリカはグローバル経済の旗手で・・財産は世界中に散らばっていて、アメリカが守るべき〝本土”とは、世界経済そのものなのです。その覇権維持のための海外拠点として最大の・・・在日米軍基地の運用で主権さえ放棄してくれる日本は・・「集団的自衛権」のどうめいこくではなく・・・アメリカ自身の「個別的自衛権」の道具の1つでしかない。」(P-120)
そして、そのアメリカは《日本を積極的に守ってやろう》などという気は毛頭ない。そんなアメリカに《媚を売って》、安倍首相は何をやろうと考えているのだろうか。
世界の戦闘地域の修羅場をくぐってきた著者だからこそ、その言説は分かりやすく、説得力がる。是非一読を!
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実際の戦場で、現実と対峙した人だからこそ書ける真実に迫る内容、説得力のある説明、論理展開に思わず拍手を送りたくなる。これほど、圧倒された内容の本は常岡浩介が書いた『ロシア・語られない戦争-チェチェンゲリラ従軍記』以来だ。 . . . 本文を読む
《新自由主義》と《グローバリズム》が席巻する中、《格差と貧困の先進国》であるアメリカの現在の姿を追った堤未果さんによるレポートは『ルポ・貧困大国アメリカ』から始まって、私が読んだ著作は本作で5冊目になる。
今回の本もまた、衝撃的内容であると同時に、希望の出口もさし示されている。 . . . 本文を読む
この間、読んでブログで紹介した『金持ちは税率70%でもいい VS みんな一律10%課税がいい』は、結果としての《格差》、《貧困》を取り上げ、そこに至った《いきさつ》、どんな力がそうさせたかについては、一切触れることなく討論が進んだので、もう一つ説得力に欠けるというか、分かりにくい面がある。この本と対で読めば、《10%一律課税》や《法人税減税》派の【でたらめぶり】や【詐欺的論法】がわかろうというものである。 . . . 本文を読む
人類の進歩をあらわすキーワードに『自由』を据え、それについての考察を試みた著作は昔から多数あるが、『選択』という視点から人間の『自由』の内実の側面にも迫った本書は、新鮮な感覚をもたらした。
『選択』という日常的行為の中に、これほど多くの意味合いを含んでいたとは、新たな発見である。 . . . 本文を読む
おりしも、先日の新聞記事に、ヨーロッパの大富豪が『増税なら、われわれに』というのがあった。財政逼迫のなか生活関連予算を証言するくらいなら「富裕層に増税を」と呼びかけているという。
本書のタイトルの『分かち合いの経済』の心が、誰に対して発せられたかであるが、日本の大企業家・大富豪に『分かち合い』の心を説くのは甘い気がするのだが。
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