「宇宙の碑」から切り離されて、人生を完成しようとすれば自死である。
イメージとしてつくられた「現実」を求めての不満は現実を変える力にはならない。欲望から自己を解放するには、自分が他者から理解してもらはなければならない、という思い込みが、自分自身を嫌っている幻想であると観じなければならない。
「ねばならない」という部屋に引きこもっていては自分を好きにはなれない。
急速に肥大する自己がラッキョウをむく。
そうすけはラッキョウを食べたい。でもラッキョウをむきたくない。それをあなたが知らない。
ラッキョウを食べたくないと、あなたがおもっているだろう、といいたかったけど黙っていた。
それをあなたは知らない、と思い込んでしまった。
質問その一 何が食べたいですか?
質問その二 何が怖いですか?
質問その三からその百(省略)
解答「わかりません」
ご名答!
ほっと安心した。いつも、ここまで。ラッキョウを食べないまま、時間が過ぎてゆく。なにを食べたかったのか?忘れる。
或る日突然、宇宙とつながる。沈黙がおそってくる。一瞬が固まる。
空からラッキョウが降ってくる。一粒、二粒、三粒・・・無数のラッキョウが降ってくる。
「さあ、むきたまえ」
只今むいていく。むいてもむいても只今むいていく。
「人生は未完成と知りなさい」あなたの声でない声がきこえる。
只今むいている手と手をあわせる。ほっと安心する。