生まれてきちまったから
仕方がないが気がつくのが遅かった
人は本来孤独だそうで
そういえば
生まれるときは
覚悟する間もなく尻を叩かれて
痛いから泣いたんじゃない
「生まれたくなかったよ」と訴えていたんだ
親は気がついていなかったようで
十三の春まで尻を叩かれた。
「ぼくのことは、ほっといてくれよ」というと
ほっとかれた思春期。
ビルの屋上から見た夕陽は変哲も無く沈んでいった
明日も明後日も一週間後も変哲も無く沈んでいった
あれから、いくつの夕陽を見送ったことだろう
目を覚ますと梅の実が落ちた
くりかえされる日常が裂けていく
雨が降り出す
梅雨なんだなとおもい
おもわなくても梅雨なんだなとかんがえ
かんがえなくても雨が降っているなと耳をすます
雨一滴海に還る日はいつぞや