F1の小部屋 NEO

F1のリザルトについてあれやこれや好き勝手にコメントしてみようと思います。レース終了後1週間以内に更新(目標)。

2020 ROUND 7 BELGIAN GP

2020年09月06日 09時57分25秒 | Weblog
1位 L.ハミルトン メルセデスAMG
2位 V.ボッタス メルセデスAMG
3位 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ
4位 D.リチャルド ルノー
5位 E.オコン ルノー
6位 A.アルボン レッドブル・ホンダ
7位 L.ノリス マクラーレン・ルノー
8位 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ
9位 L.ストロール レーシングポイント・メルセデス
10位 S.ペレス レーシングポイント・メルセデス

 ベルギーGPです。”GET IN THERE TAKU!”。ビー・アイ・ジー、ビッグニュースが飛び込んできました。何と、佐藤琢磨が2度目のインディ500制覇ですよ!2017年に続いての快挙となります。今回は、ラスト15周で先頭に立ってからは、危なげな場面も無く、ラスト5周でスペンサー・ピゴットのクラッシュによりイエローコーションになり、そのままフィニッシュ。フィニッシュ時にはライバルが横に並んでブリックヤードを通過するというニクい演出もありました。まあ、ラスト15周で先頭に立ったとはいえ、それは先頭がピットインしたからであって、その前の周回から事実上の先頭争いがスコット・ディクソンとの間で繰り広げられていた訳ですが。琢磨とディクソンはほぼ同じペースで周回を重ね終盤までもつれ込んだ訳です。今回に比べると、2017年の終盤の先頭争いは熾烈を極めていました。ラスト5周で琢磨はエリオ・カストロネベスを抜いて先頭に出ますが、背後にカストロネベスが張り付いたまま周回を重ね、アウト側から仕掛けられるという危うい場面もありました。しかし、カストロネベスがアタックに失敗したおかげでギャップが広がります。ほんの少しアクセルを緩めただけでギャップが開いてしまうのがオーバルの怖いところですね。その後は、カストロネベスを寄せ付けずトップ・チェッカー。この時の先頭争いの映像は観ていると本当に心臓に悪いですよ(汗)。これで琢磨は押しも押されぬインディ500ウィナー。アメリカンドリームを体現した日本人ともいえるでしょう。ぶっちゃけ、琢磨がF1にいた時は「おっちょこちょい」というイメージが強かったのですが(バリチェロに強引なアタックをヘアピンで仕掛けて接触、ウェットでブレーキをロックさせてシューマッハに追突、間違ってスイッチを押してエンジン停止等)まさか、インディでこんなに活躍するとは思ってもみませんでしたよ(汗)。最も成功した日本人ドライバーといっても過言ではないでしょう。話は変わりますが、アメリカでは新型コロナにより17万人もの犠牲者が出ており、ベトナム戦争の犠牲者(5万8千人)をはるかに上回っています。この様な状況の中、感染者を出さずにインディーカーシリーズの開催を続けているのは並大抵の努力ではないと思います。他のスポーツにも言えますが、特にモータースポーツは人の「熱」に支えられている面が多々あると思います。チーム等参加者側の「情熱」。レースを開催する主催者側の「熱意」。これからも「熱量」を保ちつつ、F1とは似て非なるシリーズを続けて欲しいと思います。ぶっちゃけ、ロードコースではF1の方が遥かに速いですが(※)、観客を楽しませる点においてはF1はインディーカーシリーズに学ぶべき点は多いですからね。さて、スターティンググリッドですが、ポールはハミルトン。以下、ボッタス、フェルスタッペン、リチャルド、アルボン、オコンと続きます。メルセデスがフロントロウ独占、そして、レッドブルに割って入って躍進著しいルノーが割って入るという布陣です。スタートは並びかけてきた2番グリッドのボッタスを牽制しつつイン側ポールのハミルトンがホールショット。ケメルストレートでは3番手フェルスタッペンのインにリチャルドが並びかけます。レ・コーム、マルメディと右・左・右と切り返すセクションをサイドバイサイドのまま通過。フェルスタッペンも譲りません。右ヘアピンのリバージュでリチャルドを抑え込み、元チームメイトバトルは、まずはフェルスタッペンに軍配が上がります。11周目、ジョヴィナッツィが1ターン16でクラッシュ。右から左へ切り返すコーナーなのですが、いきなりテールスライドしてコースアウト。そのままクラッシュパッドにぶつかりコース内に弾き返されました、この時に外れた左リアタイヤが後続のラッセルに直撃しクラッシュ。”THERE WAS NOWHERE I COULD GO GUYS.”(ラッセル)ラッセルももらい事故でリタイアとなっております。F1ではこの様な事故を防ぐ為にタイヤをテザーで繋いでいるのですが、今回起こってしまった事故に対してFIAが調査に乗り出しています。実際、タイヤがラッセルのハロに直撃するという危うい事故でしたからね。16周目、ライコネンがケメルストレートでベッテルのインに着けてオーバーテイク。フェラーリのベッテル、アルファロメオのライコネンに対し成す術も無くオーバーテイクを許しました。入賞圏外を走っている「名門」フェラーリ、中団グループのチームにこうもアッサリ抜かれるとは、相当深刻な不振に陥っている様ですね。ちなみに、この二人も元チームメイト。今回は元チームメイトバトルが多いですね。17周目、ケメルストレートでリチャルドがペレスに並びかけます。ブレーキングを遅らせてレ・コームのアウト側からズバッとオーバーテイク。5番手にジャンプアップです。続いて21周目、ガスリーに続いてリチャルドがオールージュを駆け上がっていきます。そして、オールージュでのスピードの伸びを生かしてケメルストレート一気に加速。ガスリーをズバッと抜いていきました。これで更に、リチャルドは4番手にジャンプアップ。ここ数戦躍進著しいルノー。リチャルドにも全盛期のキレが戻ってきた様でゴキゲンな様子が伝わってくる様ですね。ファステストラップを獲得したことだし、次に目指すはポディウム獲得といったところでしょうか。そして、レースの方は”GET IN THERE LEWIS!”ハミルトンの圧勝、ブッチギリ、横綱相撲ですよ。ちなみに、この”GET IN THERE~”というフレーズはハミルトンが本家本元ですから(汗)。意味は「よくやった!」ということになる様です。優勝した時にスタッフが無線でこの言葉をハミルトンにかけています。ハミルトンに続いてチームメイトのボッタス、そしてレッドブルのフェルスタッペンとなっており、現在の力関係を如実に表したリザルトといえるでしょう。そして、4位と5位にリチャルドとオコンと続きます。開幕当初はマクラーレンの好調が目立っていましたが、いきおい、ここにきてルノーが伸びてきました。ワークスチームとしての面目躍如といったところでしょうか。フェラーリ失速やルノーの躍進など、いよいよ面白くなってきた今シーズン。せっかく名門フェラーリへの移籍が決まったマクラーレンのサインツにとっては、フェラーリの失速は不安材料にしかならないでしょうが(汗)。

※デトロイトのストリートコースでシケインが無い状態で、CART(当時のインディーカーシリーズの名称)のマシンはF1よりも2秒以上ラップタイムが遅かった。