1位 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ
2位 L.ハミルトン メルセデスAMG
3位 C.サインツ フェラーリ
4位 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ
5位 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ
6位 V.ボッタス メルセデスAMG
7位 L.ノリス マクラーレン・メルセデス
8位 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー
9位 E.オコン アルピーヌ・ルノー
10位 C.ルクレール フェラーリ
アブダビGPです。同点で迎えた最終戦。ハミルトンフェルとスタッペン、最後の戦いが始まります。ここまでタイトル争いがもつれ込んだのは、ニコ・ロズベルグが王者になった2016年以来じゃないでしょうか。スターティンググリッドはポールがフェルスタッペン。以下ハミルトン、ノリス、ペレス、サインツ、ボッタス、ルクレール、角田裕毅と続きます。ポールポジションのフェルスタッペン、初戴冠に向けて準備万端といったところでしょうか。そして、3戦連続でシングルグリッド獲得と好調の角田裕毅。今回はチームメイトのガスリーよりも前のグリッドということで期待が持てますね。スタートはハミルトンの出だしが良く、ポールのフェルスタッペンの前に出て余裕のホールショット。後方ではターン1の立ち上がりでノリスがアウト側に孕んでエスケープゾーンを走行するも大きな混乱は無く後続が続いていきます。そしてターン6、フェルスタッペンがハミルトンのインに飛び込みます。ハミルトンは押し出された格好となりターン7ショートカットしてコースに戻り首位を走り続けます。これは明らかにトラックリミット違反でフェルスタッペンにポジションを譲るのが筋だと思うのですがお咎め無し。どゆことー?と思ってしまいますが、アクシデントを避ける為にショートカットしたのは仕方が無かった、ということなのでしょうか。”HE HAS TO GIVE THAT BACK!”フェルスタッペンは不満タラタラです。そらそうでしょう。自分の時は散々ペナルティを食らっていたのに、ハミルトンに対しては寛大な措置を採られているのですから。20周目、タイヤ交換をして2番手に下がったハミルトン、ステイアウトして首位を走るペレスに迫ります。バックストレートでペレスのイン側から前に出ます。しかし、ペレスも負けずに、すぐさまターン6手前でハミルトンのイン側に入りポジションを取り戻します。続いて次のストレート、ハミルトンがペレスをオーバーテイクしますが、先程と同じく、すぐさまターン9の手前でペレスがハミルトンのインに飛び込んで再びポジションを守ります。前に出られてもすぐに抜き返し、何としてもハミルトンを前に行かせまいとするペレス。このつばぜり合いは21周目のターン6で決着が着くまで続きます。ペレスがハミルトンを足止めしている間に後方から迫ってきたフェルスタッペン、その差は2秒以下にまで縮まりました。ペレス、グッジョブです。53周目、ターン14でラティフィがクラッシュしてコース上にストップ。セーフティーカーの導入となります。ここで2番手のフェルスタッペン、すぐさまピットにピットに入りタイヤ交換を済ませます。隊列に戻ったフェルスタッペン、ハミルトンとの間には5台の周回遅れのマシンがいたのですが、オフィシャルはこの5台をセーフティーカーの前に出させ「整理」します。結果、ハミルトンとフェルスタッペンの間に遮るものは何も無くなりました。そして、このままセーフティーカー先導で終わると思われたこのレース、ラスト1周でレース再開です。再スタートに先立ってハミルトン、必要以上にペースを落として周りのマシンに対して駆け引きを仕掛けます。フェルスタッペンはハミルトンの横に並び、ハミルトンを威嚇する様な動きをみせます。果たして、ターン14で満を持してハミルトンがフル加速、レース再開です。スタート直後のターン5でインに飛び込むフェルスタッペン、ハミルトンをオーバーテイクしました。続くバックストレートでフェルスタッペンはマシンを左右に振って、ハミルトンにトウを使われるのを警戒します。フェルスタッペンはターン6でイン側に着いた為、ターン9に向かうバックストレートでやや加速が鈍ります。そこに追いすがったハミルトン、ターン9でアウト側からフェルスタッペンにけし掛けます。ここでもフェルスタッペンはイン側でブロックしてこれを防ぎました。これで勝負あり。タイヤが消耗しているハミルトンは追いすがる力が無くなりフェルスタッペンとの差は開くばかり。結果、フェルスタッペンは2秒以上の差を着けてフィニッシュ。遂に念願の初戴冠を果たしました。スタンドに詰めかけたオレンジ色の人たちは大喜びです。って、中東までフェルスタッペンのファンがこんなに来ていたんですね。そして、大はしゃぎするレッドブルのクルー達。フェンスを乗り越えてしまうんじゃないかと心配してしまう程でしたよ(汗)。レッドブルとしてもドライバーのタイトルを獲るのは2013年のベッテル以来となります。コンストラクタータイトルはメルセデスに譲ったものの、遂にトップに返り咲いたという訳です。また、忘れてならないのはペレスの援護射撃でしょう。20~21周目にかけてハミルトンを足止めしたことでフェルスタッペンとのギャップが縮まりました。そして極めつけはこれ。終盤、セーフティーカー先導中にペレスはピットからの指示でピットに入りリタイアをしております。理由はエンジンのデータに異常があったとのことですが、もしこのまま走り続けてエンジンブローでも起こして止まってしまったならば、セーフティーカーの先導が続くことになり、フェルスタッペンの逆転の可能性が完全に潰えることになります。3位の座を捨ててまでチームメイトのタイトル獲得の為に自己犠牲的な献身をしたペレスはまさに”LEGEND”と呼ぶに相応しいでしょう。つまり、レッドブルはチーム一丸となってタイトルを獲りにいったのです。一方のハミルトンはボッタスの援護が無かった為、終盤苦しい状況に追い詰められたともいえます。セーフティーカーの先導中は首位に着けている上に残り周回数が少ないこともあって、ピットインしてニュータイヤに履き替えるというリスクを採ることは出来ず、消耗したタイヤでファイナルラップに一方的に不利なバトルをさせられたという訳ですね。お葬式の様に静まり返ったピットの中、インカムを通してF1レースディレクターのマイケル・マシとせわしなく交信を続けるトト・ヴォルフが現場の困惑を象徴していました。十中八九手にしていた8回目のタイトルを失った訳でそれはもうショックでしょう。メルセデスは再スタートに対する提訴は取り下げましたが、FIAの年間表彰式を欠席することで抗議の意思表示をしたといえます。彼らとしてはFIAに不当にレースを台無しにされたという思いが強いに違いありません。このインシデントが引き金となって、メルセデスがF1から離れるという事態にならなければ良いのですが(汗)。さて今回のレース、予想外の形での決着となりましたが、心配していた接触による決着とならずに済んで良かったと思います。際どいバトルが続きましたが、実にフェアにバトルが行われ手に汗握る展開となりました。近年、タイトル争いでここまで白熱したレースは無かったんじゃないでしょうか。それにしても、恐るべきはフェルスタッペンです。ファイナルラップで訪れた唯一無二のチャンスを、プレッシャーに臆すること無く見事モノにしました。十中八九不利だった状況を見事ひっくり返したのです。ファイナルラップの再スタートについては物議を醸しましたが、フェルスタッペンがやり遂げたことは間違いなく称賛に値するもので、やはりチャンピオンたる資格のあるドライバーであることは疑いありません。ともかく、今は初戴冠おめでとうと言いたいです。さて、今シーズンの総括といきます。前半はフェルスタッペンが選手権をリード。これはメルセデスが開発を来シーズンのマシンに注力していた為で、危機感を感じたのか、シーズン途中で方針を転換。シーズン後半はレッドブルを上回るパフォーマンスを見せるまでに至りました。そして、最終戦アブダビでの謎のファイナルラップ再スタートによってタイトルを失うことになるのですが。メルセデスはハンガリーGPでスタート時にタイヤ交換のタイミングを見誤った等、つまらないミスを何度かやっちゃっていました。結果論ですがこういうミスが無ければタイトルを獲れていたかもしれませんね。ドライバーに関してですが、まずはレッドブルに「栄転」したペレス。優勝1回、ランキング4位とまずまずの成績ですね。前述した様に、フェルスタッペンのタイトル獲得に大いに貢献しました。よって、来シーズンのシートも安泰でしょう。数少ないメキシコ人ドライバーが活躍しているということで本国でも大いに盛り上がっているんじゃないでしょうか。そして、放出されたベッテルに代わりフェラーリに抜擢されたスペイン人のサインツ。ポスト・アロンソともいえる立ち位置ですが、フェラーリのマシンの出来がアレなのでまだ真の実力は推し量れませんが、あのルクレールよりもランキングが上ということで、これは上出来でしょう。ルクレールは速さでは完全にベッテルを凌駕していましたので、ベッテル<ルクレール<サインツという図式が成り立つのでしょうか?モナコGPでは2位表彰台とその実力を遺憾なく発揮しました。まだまだ期待できそうですね。とはいえ、最高位が2位の「セカンドプレイス・フィニッシャー」です。来シーズンの目標はまずは優勝といったところでしょうか。そして、アルピーヌのオコン。ハンガリーGPではハミルトンの判断ミスに助けられたこともあり、見事キャリア初優勝。またも新たなウィナーが誕生しました。終盤、ベッテルとの激しい優勝争いを展開したのですが、2位フィニッシュのベッテルは燃料規定違反で失格という悲しい結果に終わっています(泣)。F1はぶっちゃけ別クラス混走レースなので上位陣が潰れないと中団以下のチームはなかなか上位に食い込むのが難しいのですが、オコンは見事そのチャンスを逃さずモノにしたという訳です。そして、ボッタス。2020年サヒールGPでピンチヒッターのラッセルの後塵を拝したことにより以前からあったボッタス不要論が決定的に。それ以来、苦悩を滲ませたかの様な表情が多くなります。優勝も1回とメルセデスに移籍して以来成績が最も落ち込みました。最終戦の終盤では使い古しのタイヤを履いていたこともあり、ハミルトンを援護するどころかアルファタウリの2台にオーバーテイクされて逆に順位を落とすことに。ウイリアムズ時代は非ワークスチームながらもポディウムに何度も上がるなど光る活躍をしていましたが、ここ数シーズンは歯車が上手く噛み合わなくなっていた様に思います。来シーズンは、奇しくも同郷であるライコネンの後釜としてアルファロメオをドライブすることに。正直優勝争いをすることはまず無くなると思いますが、それでも時折光る走りを見せてくれればと思います。そして、日本期待の星、角田裕毅!成績は同僚のガスリーに見劣りするものの、回数を踏む毎にパフォーマンスは上昇。最終戦アブダビではガスリーよりも上の順位でフィニッシュしています。今後の成長が楽しみが存在ですね。只一つ難点を挙げるとすれば暴言の多さですか(汗)。”F***”や”IDIOT”等のお上品でないワードが飛び交うチーム無線は人によっては聞き苦しく思うこともあるでしょう。「ラジオ・キング」度ではまだまだライコネンに及びませんので、更に精進する必要がありますね。最低限のNGワードでボケたり皮肉ったりするあの話術は中々真似できるものではありません。ライコネンは引退しますので、来シーズンはアロンソと「ラジオ・キング」の座を争うことになるでしょう(違)。さて、来シーズンはメルセデスにラッセルが加入することになります。2020年サヒールGPでのパフォーマンスは圧巻でした。レギュラードライバーのボッタスよりも明らか上回るパフォーマンスを披露。結果、このレースで印象を悪くしたボッタスがシートを失う原因になったといっても間違い無いありません。ボッタスよりも速いラッセルが、ハミルトンの脅威となって立ちはだかる、とはいかないまでも足を引っ張る存在になるのは十分に予想出来ます。その時にはまた、ロズベルグの時の様にチーム内に緊張が走ることでしょう。そうすると、レッドブルにとっては好ましい状況となります。メルセデスのチーム内がギクシャクし、足を引っ張り合っている間にレッドブルのリードを広げることが出来るのですから。ハミルトン的にはボッタスぐらいの速さのドライバーが一番組み易かったんじゃないでしょうか?優勝出来る実力はありつつも、自分への脅威とはならないということで。チーム内の緊張が高まれば8回目のタイトルという夢にも黄信号が灯ってしまいます。ともあれ、来シーズン台風の目になるであろうラッセルには要注目ですよ?
2位 L.ハミルトン メルセデスAMG
3位 C.サインツ フェラーリ
4位 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ
5位 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ
6位 V.ボッタス メルセデスAMG
7位 L.ノリス マクラーレン・メルセデス
8位 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー
9位 E.オコン アルピーヌ・ルノー
10位 C.ルクレール フェラーリ
アブダビGPです。同点で迎えた最終戦。ハミルトンフェルとスタッペン、最後の戦いが始まります。ここまでタイトル争いがもつれ込んだのは、ニコ・ロズベルグが王者になった2016年以来じゃないでしょうか。スターティンググリッドはポールがフェルスタッペン。以下ハミルトン、ノリス、ペレス、サインツ、ボッタス、ルクレール、角田裕毅と続きます。ポールポジションのフェルスタッペン、初戴冠に向けて準備万端といったところでしょうか。そして、3戦連続でシングルグリッド獲得と好調の角田裕毅。今回はチームメイトのガスリーよりも前のグリッドということで期待が持てますね。スタートはハミルトンの出だしが良く、ポールのフェルスタッペンの前に出て余裕のホールショット。後方ではターン1の立ち上がりでノリスがアウト側に孕んでエスケープゾーンを走行するも大きな混乱は無く後続が続いていきます。そしてターン6、フェルスタッペンがハミルトンのインに飛び込みます。ハミルトンは押し出された格好となりターン7ショートカットしてコースに戻り首位を走り続けます。これは明らかにトラックリミット違反でフェルスタッペンにポジションを譲るのが筋だと思うのですがお咎め無し。どゆことー?と思ってしまいますが、アクシデントを避ける為にショートカットしたのは仕方が無かった、ということなのでしょうか。”HE HAS TO GIVE THAT BACK!”フェルスタッペンは不満タラタラです。そらそうでしょう。自分の時は散々ペナルティを食らっていたのに、ハミルトンに対しては寛大な措置を採られているのですから。20周目、タイヤ交換をして2番手に下がったハミルトン、ステイアウトして首位を走るペレスに迫ります。バックストレートでペレスのイン側から前に出ます。しかし、ペレスも負けずに、すぐさまターン6手前でハミルトンのイン側に入りポジションを取り戻します。続いて次のストレート、ハミルトンがペレスをオーバーテイクしますが、先程と同じく、すぐさまターン9の手前でペレスがハミルトンのインに飛び込んで再びポジションを守ります。前に出られてもすぐに抜き返し、何としてもハミルトンを前に行かせまいとするペレス。このつばぜり合いは21周目のターン6で決着が着くまで続きます。ペレスがハミルトンを足止めしている間に後方から迫ってきたフェルスタッペン、その差は2秒以下にまで縮まりました。ペレス、グッジョブです。53周目、ターン14でラティフィがクラッシュしてコース上にストップ。セーフティーカーの導入となります。ここで2番手のフェルスタッペン、すぐさまピットにピットに入りタイヤ交換を済ませます。隊列に戻ったフェルスタッペン、ハミルトンとの間には5台の周回遅れのマシンがいたのですが、オフィシャルはこの5台をセーフティーカーの前に出させ「整理」します。結果、ハミルトンとフェルスタッペンの間に遮るものは何も無くなりました。そして、このままセーフティーカー先導で終わると思われたこのレース、ラスト1周でレース再開です。再スタートに先立ってハミルトン、必要以上にペースを落として周りのマシンに対して駆け引きを仕掛けます。フェルスタッペンはハミルトンの横に並び、ハミルトンを威嚇する様な動きをみせます。果たして、ターン14で満を持してハミルトンがフル加速、レース再開です。スタート直後のターン5でインに飛び込むフェルスタッペン、ハミルトンをオーバーテイクしました。続くバックストレートでフェルスタッペンはマシンを左右に振って、ハミルトンにトウを使われるのを警戒します。フェルスタッペンはターン6でイン側に着いた為、ターン9に向かうバックストレートでやや加速が鈍ります。そこに追いすがったハミルトン、ターン9でアウト側からフェルスタッペンにけし掛けます。ここでもフェルスタッペンはイン側でブロックしてこれを防ぎました。これで勝負あり。タイヤが消耗しているハミルトンは追いすがる力が無くなりフェルスタッペンとの差は開くばかり。結果、フェルスタッペンは2秒以上の差を着けてフィニッシュ。遂に念願の初戴冠を果たしました。スタンドに詰めかけたオレンジ色の人たちは大喜びです。って、中東までフェルスタッペンのファンがこんなに来ていたんですね。そして、大はしゃぎするレッドブルのクルー達。フェンスを乗り越えてしまうんじゃないかと心配してしまう程でしたよ(汗)。レッドブルとしてもドライバーのタイトルを獲るのは2013年のベッテル以来となります。コンストラクタータイトルはメルセデスに譲ったものの、遂にトップに返り咲いたという訳です。また、忘れてならないのはペレスの援護射撃でしょう。20~21周目にかけてハミルトンを足止めしたことでフェルスタッペンとのギャップが縮まりました。そして極めつけはこれ。終盤、セーフティーカー先導中にペレスはピットからの指示でピットに入りリタイアをしております。理由はエンジンのデータに異常があったとのことですが、もしこのまま走り続けてエンジンブローでも起こして止まってしまったならば、セーフティーカーの先導が続くことになり、フェルスタッペンの逆転の可能性が完全に潰えることになります。3位の座を捨ててまでチームメイトのタイトル獲得の為に自己犠牲的な献身をしたペレスはまさに”LEGEND”と呼ぶに相応しいでしょう。つまり、レッドブルはチーム一丸となってタイトルを獲りにいったのです。一方のハミルトンはボッタスの援護が無かった為、終盤苦しい状況に追い詰められたともいえます。セーフティーカーの先導中は首位に着けている上に残り周回数が少ないこともあって、ピットインしてニュータイヤに履き替えるというリスクを採ることは出来ず、消耗したタイヤでファイナルラップに一方的に不利なバトルをさせられたという訳ですね。お葬式の様に静まり返ったピットの中、インカムを通してF1レースディレクターのマイケル・マシとせわしなく交信を続けるトト・ヴォルフが現場の困惑を象徴していました。十中八九手にしていた8回目のタイトルを失った訳でそれはもうショックでしょう。メルセデスは再スタートに対する提訴は取り下げましたが、FIAの年間表彰式を欠席することで抗議の意思表示をしたといえます。彼らとしてはFIAに不当にレースを台無しにされたという思いが強いに違いありません。このインシデントが引き金となって、メルセデスがF1から離れるという事態にならなければ良いのですが(汗)。さて今回のレース、予想外の形での決着となりましたが、心配していた接触による決着とならずに済んで良かったと思います。際どいバトルが続きましたが、実にフェアにバトルが行われ手に汗握る展開となりました。近年、タイトル争いでここまで白熱したレースは無かったんじゃないでしょうか。それにしても、恐るべきはフェルスタッペンです。ファイナルラップで訪れた唯一無二のチャンスを、プレッシャーに臆すること無く見事モノにしました。十中八九不利だった状況を見事ひっくり返したのです。ファイナルラップの再スタートについては物議を醸しましたが、フェルスタッペンがやり遂げたことは間違いなく称賛に値するもので、やはりチャンピオンたる資格のあるドライバーであることは疑いありません。ともかく、今は初戴冠おめでとうと言いたいです。さて、今シーズンの総括といきます。前半はフェルスタッペンが選手権をリード。これはメルセデスが開発を来シーズンのマシンに注力していた為で、危機感を感じたのか、シーズン途中で方針を転換。シーズン後半はレッドブルを上回るパフォーマンスを見せるまでに至りました。そして、最終戦アブダビでの謎のファイナルラップ再スタートによってタイトルを失うことになるのですが。メルセデスはハンガリーGPでスタート時にタイヤ交換のタイミングを見誤った等、つまらないミスを何度かやっちゃっていました。結果論ですがこういうミスが無ければタイトルを獲れていたかもしれませんね。ドライバーに関してですが、まずはレッドブルに「栄転」したペレス。優勝1回、ランキング4位とまずまずの成績ですね。前述した様に、フェルスタッペンのタイトル獲得に大いに貢献しました。よって、来シーズンのシートも安泰でしょう。数少ないメキシコ人ドライバーが活躍しているということで本国でも大いに盛り上がっているんじゃないでしょうか。そして、放出されたベッテルに代わりフェラーリに抜擢されたスペイン人のサインツ。ポスト・アロンソともいえる立ち位置ですが、フェラーリのマシンの出来がアレなのでまだ真の実力は推し量れませんが、あのルクレールよりもランキングが上ということで、これは上出来でしょう。ルクレールは速さでは完全にベッテルを凌駕していましたので、ベッテル<ルクレール<サインツという図式が成り立つのでしょうか?モナコGPでは2位表彰台とその実力を遺憾なく発揮しました。まだまだ期待できそうですね。とはいえ、最高位が2位の「セカンドプレイス・フィニッシャー」です。来シーズンの目標はまずは優勝といったところでしょうか。そして、アルピーヌのオコン。ハンガリーGPではハミルトンの判断ミスに助けられたこともあり、見事キャリア初優勝。またも新たなウィナーが誕生しました。終盤、ベッテルとの激しい優勝争いを展開したのですが、2位フィニッシュのベッテルは燃料規定違反で失格という悲しい結果に終わっています(泣)。F1はぶっちゃけ別クラス混走レースなので上位陣が潰れないと中団以下のチームはなかなか上位に食い込むのが難しいのですが、オコンは見事そのチャンスを逃さずモノにしたという訳です。そして、ボッタス。2020年サヒールGPでピンチヒッターのラッセルの後塵を拝したことにより以前からあったボッタス不要論が決定的に。それ以来、苦悩を滲ませたかの様な表情が多くなります。優勝も1回とメルセデスに移籍して以来成績が最も落ち込みました。最終戦の終盤では使い古しのタイヤを履いていたこともあり、ハミルトンを援護するどころかアルファタウリの2台にオーバーテイクされて逆に順位を落とすことに。ウイリアムズ時代は非ワークスチームながらもポディウムに何度も上がるなど光る活躍をしていましたが、ここ数シーズンは歯車が上手く噛み合わなくなっていた様に思います。来シーズンは、奇しくも同郷であるライコネンの後釜としてアルファロメオをドライブすることに。正直優勝争いをすることはまず無くなると思いますが、それでも時折光る走りを見せてくれればと思います。そして、日本期待の星、角田裕毅!成績は同僚のガスリーに見劣りするものの、回数を踏む毎にパフォーマンスは上昇。最終戦アブダビではガスリーよりも上の順位でフィニッシュしています。今後の成長が楽しみが存在ですね。只一つ難点を挙げるとすれば暴言の多さですか(汗)。”F***”や”IDIOT”等のお上品でないワードが飛び交うチーム無線は人によっては聞き苦しく思うこともあるでしょう。「ラジオ・キング」度ではまだまだライコネンに及びませんので、更に精進する必要がありますね。最低限のNGワードでボケたり皮肉ったりするあの話術は中々真似できるものではありません。ライコネンは引退しますので、来シーズンはアロンソと「ラジオ・キング」の座を争うことになるでしょう(違)。さて、来シーズンはメルセデスにラッセルが加入することになります。2020年サヒールGPでのパフォーマンスは圧巻でした。レギュラードライバーのボッタスよりも明らか上回るパフォーマンスを披露。結果、このレースで印象を悪くしたボッタスがシートを失う原因になったといっても間違い無いありません。ボッタスよりも速いラッセルが、ハミルトンの脅威となって立ちはだかる、とはいかないまでも足を引っ張る存在になるのは十分に予想出来ます。その時にはまた、ロズベルグの時の様にチーム内に緊張が走ることでしょう。そうすると、レッドブルにとっては好ましい状況となります。メルセデスのチーム内がギクシャクし、足を引っ張り合っている間にレッドブルのリードを広げることが出来るのですから。ハミルトン的にはボッタスぐらいの速さのドライバーが一番組み易かったんじゃないでしょうか?優勝出来る実力はありつつも、自分への脅威とはならないということで。チーム内の緊張が高まれば8回目のタイトルという夢にも黄信号が灯ってしまいます。ともあれ、来シーズン台風の目になるであろうラッセルには要注目ですよ?