高齢者フィジカルのピットフォールその3
バイタルサイン
高齢者では動脈硬化症があるため、聴診ギャップauscultatory gapを有する患者が多い。
そのため、血圧を測定する場合には、まず触診法で収縮期血圧のみを一度測定してから、聴診法で測定するとよい。
聴診ギャップが大きい患者では、収縮期血圧を低く見積もる恐れがある。
バイタルサインを測定する場合、通常ナースは心拍数(心音聴診)ではなく、脈拍数(橈骨動脈触診)を利用することが多い。
洞性リズムでは問題ないが、高齢者に多く認められる心房細動で頻脈発作を有する場合には、脈格差(心拍数と脈拍数に大きな差を認めること)がみられる。
頻脈発作を放置すると高齢者では容易に心不全に陥るので、心房細動ではかならず心拍数でバイタルサインを評価するようにする。
高齢者では感染症でも体温の上昇がはげしくなく、むしろ低体温となる場合があり、体温が35度以下の肺炎や敗血症では死亡リスクが高まる。
そのため、体温測定では低体温の範囲を正確に測定できる体温計を用いるようにする。
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ケーススタディでわかる脱ポリファーマシー |
徳田安春 | |
南江堂 |
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