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腎疾患での浮腫、その他の病歴

2018-09-28 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今回も、腎疾患での臨床情報についてみていきましょう。
 


浮腫



局所性浮腫と全身性浮腫の違いに注意しましょう。


全身性浮腫の原因には、腎性浮腫、心性浮腫、肝性浮腫、内分泌性浮腫、薬剤性浮腫、特発性浮腫などがあります。



腎性浮腫の原因には、ネフローゼ症候群、急性糸球体腎炎、腎不全などがあります。


非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)などの薬剤でしばしば全身性浮腫を生じることがあるので、内服歴を確認しましょう。




腎機能障害


腎機能障害を見たら、まず考えることは急性か慢性かの鑑別です。


過去の腎疾患の有無、健診や外来での記録など過去の情報を得るとよいでしょう。



腎エコーによる腎の形態も鑑別に役に立ちます。


慢性であれば腎は萎縮して皮髄境界が不明瞭となるが、急性であれば腎の大きさは少なくとも正常かまたは腫大しています。



薬剤の使用歴も大事。


抗生物質投与後に発熱などとともに腎機能障害が出たのであれば、それによる間質性腎炎が疑われます。



急性では、腎障害が出現する前に何が起こっていたのかを調べることも重要です。


発熱、血圧低下があれば敗血症性ショックによる急性腎不全を考慮します。


発熱、関節痛など全身性炎症疾患を示唆する症状があれば膠原病や血管炎などを考えます。




急性腎障害発生の前に造影剤を使った検査が行われていればそれによる造影剤腎症の可能性があります。


しかし、最近の研究では、この場合、造影剤よりも急性疾患そのものの影響が大きいと考えられています。




写真 夕方の浦添市

 

 

 

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