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感染症での発熱

2018-10-02 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
発熱とは体温の上昇です。
 
 
その原因としてまず感染症を考えます。



急性の感染症ではウイルス感染症が多く、慢性の感染症では結核などがあります。



ただし、発熱は感染症の最も基本的症状であるにもかかわらず、それ自体およびその程度は、原因についてはほとんど何も語ってくれません。



また、腋窩体温と深部体温との乖離はけっこうあります。


腋窩体温が38度以上で発熱あり、とすると測定誤差と個人間変動、個人内変動を無視してしまうことになります。



さらには、高齢者の場合、普段の体温が35.5の人は37.5では、2度も上昇していることになりますので、ベースの体温も確認しましょう。



ときに、38.5度以上で血液培養を取る、などという入院オーダーをみることがあります。


しかし、38.5度未満では菌血症はない、ということはありません。



むしろ、発熱がなくても、原因不明の呼吸数や脈拍の上昇、意識障害などでも血液培養を取ることを勧めます。


発熱は血液培養採取の必要条件ではないのです。


また、悪寒戦慄は菌血症を疑わしめるので、発熱がなくても速やかに血液培養を採取する。



古典的パールには「黄色痰を伴う咳と1回だけの悪寒戦慄を伴う発熱」から肺炎双球菌を起炎菌とする菌血症と肺炎を疑う、というのもあります。


私の臨床経験でも実際に遭遇しました。




写真 横浜の夜景

 

 

 

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