今回も「賢く選ぶ百歳長寿の養生訓」よりお送りします。
その前にメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」こちらもどうぞよろしくです。
高齢者の転倒は、骨折や硬膜下血腫をきたすことがあります。また、転倒の原因として、心肺疾患や神経疾患などの内因性の疾患が隠れていることがあります。「転倒骨折=整形外科疾患」とはいえないのです。また内因性でも、単一の原因より、複数の原因が重なった場合が多いです。
また、転倒の原因として頻度の多いものに、薬剤の副作用があります。特に、多剤併用時に転倒のリスクが高くなります。
転倒のスクリーニングとリスクアセスメントについて下記にまとめました。
A. 全ての65歳以上の患者に対して以下のスクリーニング質問をします。
1.過去1年間で2回以上転倒したことがありますか?
2.転倒で医療機関を受診したことがありますか?
3.歩行・バランスに困難を感じたことがありますか?
B. 上記の質問に1つでもYes であれば歩行とバランスの評価である「立って歩けテスト(Get Up and Go test)」(上肢を使わずに椅子から立ち上がって、いくつかの速度で歩かせ、元の場所に戻る)を行います。
C. Get Up and Go test で少しでも異常を認めれば、転倒の恐れがある群としてどのような危険性があるのかの評価へと進みます。これは転倒とは単一の原因によってではなく、複数の要因によって生じるという理論に基づいています。
転倒の恐れがある場合には、下記のような対応をするとよいでしょう。まさに多面的対応です。
①服用薬を減らす
②運動プログラム(歩行、バランス、筋力強化に重点をおいた運動)
③眼科疾患の治療
④起立性低血圧への対処
⑤不整脈への対処
⑥ビタミンD投与
⑦足とフットウェアーの調整
⑧環境因子の調節
では、「賢く選ぶ百歳長寿の養生訓」より、下記を示します。
第1条:過去1年間で2回以上転倒したことがありますか?
第2条:転倒で医療機関を受診したことがありますか?
第3条:歩行・バランスに困難を感じたことがありますか?
1~3条で、ひとつでも「はい」の人は、かかりつけ医に相談しましょう。
今回は以上です、話変わって、台風11号は西日本直撃のようです、皆さん台風情報には気をつけて下さい、しかし、暑いですね、全国各地で猛暑日が続いています、前回も書きましたが、こまめな水分補給、エアコンで温度管理、しつこいようですが毎回書き続けようとゆうぐらい気をつけて下さい、では次回に。
臨床推論の総論ルールが1時間で楽しく完全理解できる、
「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」こちらも勉強になると思います。
Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.3 No.2 2015(特集:外来における予防医療) | |
徳田安春 | |
メディカルサイエンスインターナショナル |