研修プログラムは、指導医や病院の体制、地域の特性、患者スペクトラム、院内規則、院長のリーダーシップなどさまざまなドメインから構成されています。
その評価対象の選択には注意を要します。
研修システムの標準的な評価のためには、これらを全て「学習環境」として包括的にとらえることが勧められています。
学習環境の評価において国際的に広く利用されている尺度に、卒後学習環境尺度Postgraduate Hospital Educational Environment Measure(PHEEM)があります。
この尺度は英国Dundee大学医学教育センターのSue Roff博士により開発されたものです。
そのオリジナル版はPublic domainに属しており、世界中の医師養成における研修環境システムの向上のために自由に翻訳して広く使用してよいとしています(Sue Roff博士:よりPersonal communication)。
PHEEMのオリジナル版はその妥当性と信頼性が確認されて以来、世界中の多くの国々で利用されています。
このような世界標準の尺度を利用することにより施設間比較が出来、研修システムに改善を要する点を見つけ出すのに有用であると考えます。
私が班長をやらせていただいた厚生労働省研究班(医学部教育、臨床研修制度、専門研修を縦断するカリキュラムの作成と医師養成の在り方に関する研究班)では、開発者Roff博士の承諾を得てPublic domainに属するオリジナル版を利用し、PHEEMの日本語版を作成しました。
次回にその内容をまとめて紹介します。
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