燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

起立・歩行のフィジカル

2019-08-23 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今回は起立と歩行です。
 
 
大切な機能ですので、よく観察しましょう。



① パーキンソン病:

四肢は屈曲し前傾姿勢にて小股で歩く。

歩行開始困難や突進現象がみられる。



② 片麻痺:

麻痺側の足は伸展し、弧を描くように前に出して歩く(片麻痺歩行)。

麻痺側の上肢は振りが減少。



③ 対麻痺:

両側の下肢は伸展し、それを持ち上げるようにして歩く(痙性歩行)。

トーヌスがさらに亢進すると両膝が重なり合う(ハサミ歩行)。
 


④ 小脳疾患:

患者は両足を広げて酩酊様歩行を呈する。



⑤ 脊髄後索や深部感覚神経障害の患者(脊髄癆など)

閉眼や暗所での歩行が困難。



⑥ 筋ジストロフィー症、多発性筋炎など腰部筋力の低下をきたす疾患:  

腰を左右に振りながら歩く(動揺性歩行)。



⑦ 腓骨神経麻痺:  

足関節の背屈が困難のため、足を過度に挙上して床に叩きつけるように歩行(鶏歩)。
 


備考:

全身性エリテマトーデスでは中枢神経系ループスとして脳梗塞、脳出血、痙攣などがあるが、最近は抗リン脂質抗体症候群による脳血栓症などもしばしばみられる。

全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症や多発血管炎性肉芽腫症などでは多発性単神経炎の合併がみられる。




写真 ドクターカーの正面像です

 

 

症候別“見逃してはならない疾患"の除外ポイント: The 診断エラー学
 
医学書院

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

 

徳田安春・公式ツイッター

https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda

健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。

 

マンガ「群星沖縄臨床研修センターとは?」が出ました。これで群星沖縄のすべてがわかる。毎月更新されますので、是非ご覧下さい。

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2018のジャンル別賞の健康部門5位に決定しました。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 反射のフィジカル | トップ | 血液疾患特有の皮膚フィジカル »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

勉強会」カテゴリの最新記事