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選択肢の解説:関節炎の原因鑑別のための検査

2020-01-29 | 勉強会
みなさん、こんにちは。
 
前回の続きです。
 
 
ESRCRP値などの「炎症反応」では、感染性と結晶性を区別することはできない。
 
両者共に炎症性関節炎であり、ESRCRP値による判別の感度と特異度は良くない。
 
 
高尿酸結晶は痛風性と感染性関節炎の急性期鑑別診断には役立たない。
 
むしろ、高尿酸結晶患者へ尿酸低下薬を開始した後に血清尿酸値が低下していくときに、痛風発作をみることが多い(低用量コルヒチン予防投与をおこなっていると発作はある程度は予防できるが)。
 
 
SLEや関節リウマチは単関節炎を呈することはまれであり、この時点でANAや抗CCP抗体の適応はない。
 
 
また、国内外渡航歴(北海道や長野)やダニ接触歴がない場合の初回単関節炎エピソードの時点では、抗ライム抗体検査の適応はない。
 
 
関節液の顕微鏡検査と細菌培養(culture)検査の価値は高い。
 
感染性関節炎でグラム染色が陽性となる割合は1020%程度であるが、陽性時の特異度は高く、抗菌薬の賢い選択につながる。
 
 
関節液白血球カウント(count)は炎症性VS非炎症性の鑑別には有用で、7,500/mm3以上(または好中球割合>85%)で炎症性を示唆する。
 
ただし、感染性VS結晶誘発性では、白血球カウントはあまり有用ではない。

 

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