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COPD 慢性気管支炎型の臨床

2019-03-22 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。


COPDは、大気汚染や遺伝的素因などの関与もありますが、喫煙との関係が最も深いです。


慢性気管支炎型bluebloaterと肺気腫型pink pufferとよばれる病態の臨床上の相違点は、その管理のうえでも重要です。


今回は慢性気管支炎型についてみてみましょう。



慢性気管支炎は、いわゆる“morning cough”をもって発症し、次第に痰量が増加します。


反復する下気道感染により、気管支拡張症を併発しやすいために聴診上early-to-mid inspiratory cracklesを聴取することが多いです。


病期が進行するにつれて低酸素血症と高二酸化炭素血症を伴うようになり、末期ではチアノーゼに加え肺性心としての下腿浮腫や顔面の浮腫などが出現します。



労作時呼吸困難感は軽度に訴えるにすぎません。



代表的なABGの値はpH=7.38、PaO2=55 Torr、PCO2=55 Torr、HCO3=35mEq/l、呼吸数18/分です。



肺機能検査上、1秒量が1l以下となることは少なく、700ml以下を示す場合にはむしろ肺気腫の合併を考慮すべきです。


肺活量や全肺気量は基準値に近く拡散能の低下も認められません。



呼吸困難がないため睡眠深度は深く、食欲良好で体重が肥満傾向を示します。




写真 ガジュマル

 

 

 

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