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単関節痛

2019-01-22 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
単一の関節が痛くなることを単関節痛と呼びます。


大切なことは、単関節痛=単関節炎ではない、ということ。



単関節炎は通常単一の関節に疼痛・圧痛に加えて、腫脹(液体貯留)、熱感、発赤等の炎症所見をみるものです。



ここでの初期診療の重要ポイントは、化膿性関節炎を見逃さず、かつ充分な疼痛管理を行うことです。



単関節炎での主要な鑑別は下記へ。


化膿性関節炎: 高齢者や基礎疾患をもつ場合(糖尿病、関節リウマチ、免疫不全、悪性疾患など)には必ず考える。

体温上昇がないことあり。


淋菌性関節炎: ハイリスクの性生活歴を有するひとに多い。

遊走性関節痛、筋肉痛、皮疹などが鍵。


痛風:  中高年男性の大酒家に多い。

閉経前女性にはまれ。

薬剤性もある。

通常急激に発症し、1日以内にピークに達する。

慢性では痛風結節を探す。

以外かと思うかもしれないが、高尿酸血症(>7mg/dl)は診断には役立たない。


偽痛風:  中高年女性に多い。

大関節(膝関節など)に好発。

長期臥床、内分泌代謝疾患などが危険因子。


結核性関節炎:  肺結核既往患者や高齢者、免疫能低下群で考える。


関節内血腫:  外傷や出血傾向(血友病など)の患者で考える。

関節液の貯留のある場合は原則として穿刺術を施行する。

培養検査、白血球カウント、結晶検査(3C:culture, count, crystal)を提出する。

また、グラム染色(化膿性関節炎の起炎菌の検索)による検鏡も行う。

化膿性関節炎におけるグラム染色の感度は70%程度であるので見えなくても否定できないが、特異度はほぼ100%。


偏光顕微鏡で結晶の有無をみる。

偏光顕微鏡がなければ通常の染色でもよい。

これも特異度は高いが感度は低い。

また、偽痛風に化膿性関節炎を合併するケースもある。




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