みなさん、こんにちは。
単一の関節が痛くなることを単関節痛と呼びます。
大切なことは、単関節痛=単関節炎ではない、ということ。
単関節炎は通常単一の関節に疼痛・圧痛に加えて、腫脹(液体貯留)、熱感、発赤等の炎症所見をみるものです。
ここでの初期診療の重要ポイントは、化膿性関節炎を見逃さず、かつ充分な疼痛管理を行うことです。
単関節炎での主要な鑑別は下記へ。
化膿性関節炎: 高齢者や基礎疾患をもつ場合(糖尿病、関節リウマチ、免疫不全、悪性疾患など)には必ず考える。
体温上昇がないことあり。
淋菌性関節炎: ハイリスクの性生活歴を有するひとに多い。
遊走性関節痛、筋肉痛、皮疹などが鍵。
痛風: 中高年男性の大酒家に多い。
閉経前女性にはまれ。
薬剤性もある。
通常急激に発症し、1日以内にピークに達する。
慢性では痛風結節を探す。
以外かと思うかもしれないが、高尿酸血症(>7mg/dl)は診断には役立たない。
偽痛風: 中高年女性に多い。
大関節(膝関節など)に好発。
長期臥床、内分泌代謝疾患などが危険因子。
結核性関節炎: 肺結核既往患者や高齢者、免疫能低下群で考える。
関節内血腫: 外傷や出血傾向(血友病など)の患者で考える。
関節液の貯留のある場合は原則として穿刺術を施行する。
培養検査、白血球カウント、結晶検査(3C:culture, count, crystal)を提出する。
また、グラム染色(化膿性関節炎の起炎菌の検索)による検鏡も行う。
化膿性関節炎におけるグラム染色の感度は70%程度であるので見えなくても否定できないが、特異度はほぼ100%。
偏光顕微鏡で結晶の有無をみる。
偏光顕微鏡がなければ通常の染色でもよい。
これも特異度は高いが感度は低い。
また、偽痛風に化膿性関節炎を合併するケースもある。
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