燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

オーバーコンフィデンスバイアス Overconfidence bias

2018-06-27 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
バイアスは診断エラーの要因となります。
 
 
バイアスについて学習することはエラー予防に重要です。



前回の答え:オーバーコンフィデンスバイアスOverconfidence bias


解説。
 
anchoring bias(最初に考えた診断に固執して考えを改めない)
 
availability bias(最近遭遇した類似症例と同じ疾患を考える)
 
confirmation bias(自分の仮説に不適合なデータを無視する)
 
hassle bias(自分が最も楽に処理できるような仮設のみを考える)
 
overconfidence bias(前医や指導医の意見に盲目的に従う)
 
rule bias( 通常は正しいルールであるが過信するとミスリードされる)

 
 
バイアスの影響で、本来やるべきwork- upを途中で止めてしまうことを「premature Closure」と言います。
 
 
自分自身を客観的に診る(メタ認知) ことでバイアス回避を図ることが必要。
 
 
 
 
では、今回のケースです。
 
    急性発症の胸痛・冷汗で当直帯に受診した70歳台男性
 
心電図II III FST低下軽度あり「急性冠症候群疑い」にてCCU入院

NTG, heparin, aspirin, statin開始した
 
しかしながら入院後も胸痛・冷汗が持続
 
症状持続するも心電図変化なし
 
翌日、血圧左右差+聴診で大動脈弁閉鎖不全症の心雑音+にて「A 型急性大動脈解離」と判明
 
 
当直医のバイアスは?

1.     アンカリングバイアス Anchoring bias

2.     アベイラビリティーバイアス Availability bias

3.     オーバーコンフィデンスバイアスOverconfidence bias

4.     コンファーメンションバイアスConfirmation bias
 
5.     ルールバイアス Rule bias
 
6.     ハッスルバイアス  Hassle bias
 
 
 
 
写真   スメアに集中する研修医

 

 

 

闘魂外来―医学生・研修医の君が主役!〜病歴・フィジカルから情報検索まで臨床実践力の鍛え方を伝授します
 
羊土社

 

健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2018」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2017年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門第4位に選ばれました。

 

臨床推論の総論とピットフォールをマンガでサクッと1時間以内に習得できます。エキスパート診断医への一歩を踏み出すことができます。「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」こちらも合わせていかがでしょうか。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アベイラビリティーバイアス... | トップ | オーバーコンフィデンスバイ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

勉強会」カテゴリの最新記事