みなさん、こんにちは。
バイアスは診断エラーの要因となります。
バイアスについて学習することはエラー予防に重要です。
前回の答え:オーバーコンフィデンスバイアスOverconfidence bias
解説。
anchoring bias(最初に考えた診断に固執して考えを改めない)
availability bias(最近遭遇した類似症例と同じ疾患を考える)
confirmation bias(自分の仮説に不適合なデータを無視する)
hassle bias(自分が最も楽に処理できるような仮設のみを考える)
overconfidence bias(前医や指導医の意見に盲目的に従う)
rule bias( 通常は正しいルールであるが過信するとミスリードされる)
バイアスの影響で、本来やるべきwork- upを途中で止めてしまうことを「premature Closure」と言います。
自分自身を客観的に診る(メタ認知) ことでバイアス回避を図ることが必要。
では、今回のケースです。
⑦ 急性発症の胸痛・冷汗で当直帯に受診した70歳台男性
心電図II III FでST低下軽度あり「急性冠症候群疑い」にてCCU入院
NTG, heparin, aspirin, statin開始した
しかしながら入院後も胸痛・冷汗が持続
症状持続するも心電図変化なし
翌日、血圧左右差+聴診で大動脈弁閉鎖不全症の心雑音+にて「A 型急性大動脈解離」と判明
当直医のバイアスは?
1. アンカリングバイアス Anchoring bias
2. アベイラビリティーバイアス Availability bias
3. オーバーコンフィデンスバイアスOverconfidence bias
4. コンファーメンションバイアスConfirmation bias
5. ルールバイアス Rule bias
6. ハッスルバイアス Hassle bias
写真 スメアに集中する研修医
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