燃えるフィジカルアセスメント

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呼吸困難での聴診

2018-05-29 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
 
聴診では病態生理を把握します。
 
 
 
連続性呼吸副雑音には高調性連続音wheezes(ウイーズ)と低調性連続音rhonchi(ロンカイ)があります。
 
 
 
ウイーズは末梢気道で生ずる笛様音であり、気道の狭窄を示唆します。
 
 
ロンカイは太い気道で生ずるいびき様音であり、分泌物(喀痰など)を示唆します。
 
 
 
 
上気道付近で聴かれる高調性連続音をストライダーstridorと呼びます。
 
 
上気道付近の狭窄を示唆するので、緊急な対応が必要です。
 
 
 
 
その他、胸膜摩擦音pleural friction rubがあります。
 
 
これは握雪様音で、雪を踏む時の「きゅ、きゅ」という音が呼吸に合わせて聴取されます。
 
 
胸膜摩擦音があれば、胸水貯留が単純X線写真で認めない程度の状態から、胸膜炎を診断できます。
 



心臓の聴診では心音と心雑音に注意します。


心不全を疑う場合、S3に注意しましょう。


吸気時に増強するS3は右心不全(肺性心)を示唆し、呼気時に増強するときは左心不全を示唆します。




心雑音では、最強部位、大きさ、放散部位、音の形状を評価します。


胸骨下部を最強部位として吸気時に増強するソフトな汎収縮期雑音は典型的な三尖弁閉鎖不全症の雑音です(リベロ・カルバロ徴候)。




写真   那覇市で見かけたシーサー

 

 

 

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