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呼吸困難の触診と聴診

2018-05-28 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今回は触診と聴診です。
 
 
 
触診
 
 
 
胸壁ラトリングの存在は重度の畜痰を示唆します。
 
 
 
声音振盪では、背中を手掌または手刀部で触診しながら、患者に「ひとーつ」などの大きな母音を発声してもらいます。
 
 
胸水貯留では声音振盪が減弱します。
 
 
 
 
心尖拍動の触診は必須です。
 
 
胸骨正中線から10センチ以上左外側へシフトしているときは、心拡大を示唆します。
 
 
心臓の触診ではまた、過剰心音(S3やS4)や心雑音が触れるかどうかにも注意しましょう。
  
 
 
 
聴診
 
 
異常な呼吸音を呼吸副雑音(肺雑音)と呼びます。
 
 
呼吸副雑音には断続性と連続性があります。
 
 
その他として胸膜摩擦音があります。
 
 
 
 
断続性呼吸副雑音はクラックルcracklesです
 
 
細かい高調性のソフトなクラックル音を捻髪音、粗い低調性で大きなクラックル音を水泡音と呼びます。
 
 
クラックルはまた、下表のように聴かれるフェーズで分類されます。
 
 
これは、病態を反映します。
 
 
 
表:フェーズによるクラックルの分類
 
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吸気早期クラックル early inspiratory crackles:慢性気管支炎
 
吸気早中期クラックル early-to-mid inspiratory crackles:気管支拡張症
 
吸気終末期クラックル late inspiratory crackles:間質性肺疾患・非定型肺炎・軽度心不全
 
吸気全般期クラックルholo (pan)-inspiratory crackles:細菌性肺炎・肺水腫・心不全
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写真  北谷町にあるネパール・カレー屋さんのメニュー

 

 

 

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