燃えるフィジカルアセスメント

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しびれの分布による病変部位の鑑別

2019-04-09 | 勉強会
 
皆さん、こんにちは。
 
 
今回は分布からみたしびれの部位診断をまとめました。



・顔面を含めた半身の感覚障害: 

大脳病変を疑う。

視床病変では半身の不快なジリジリ感や激しい疼痛(視床症候群)、一側の口周囲と手の感覚異常(手口症候群)。


・交代性感覚障害:  

脳幹部病変を疑う。

病変と同側の顔面および反対側の躯幹の感覚障害。

ワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)では病変と同側の顔面と反対側躯幹の温痛覚低下、眼振、同側のホルネル症候群、失調症。


・躯幹にレベルをもつ感覚障害:  

脊髄病変を疑う。

急性横断性脊髄炎では病変部位以下の全感覚障害、対麻痺、膀胱直腸障害。

ブラウンセカール症候群は半側脊髄損傷でみられ、病側の運動麻痺、深部感覚障害、および反対側の温痛覚障害が特徴。

宙吊り型(肩掛け型)感覚障害は脊髄空洞症等でみられ、肩掛けを掛けたように温痛覚が障害されるが、触覚・深部感覚は保たれている。


・神経根の支配領域に一致した感覚障害(分節性分布):  

帯状疱疹ではデルマトームに一致してピリピリした痛みを感じその後に丘疹性紅斑と水疱が出現する。


・単一の末梢神経領域の感覚障害:  

手根管症候群では手掌の正中神経支配領域に痛覚の低下が起こる。

尺骨神経麻痺では薬指と小指に感覚障害を認める。

もし感覚障害が前腕の尺側にもある場合は神経根(C8~T1)の障害を疑う。


・左右対称性の感覚障害(手袋靴下型): 

糖尿病、慢性腎不全、ビタミンB1、B12欠乏症などにみられる多発性神経炎がこのパターン。

中年以降に感覚性多発性神経炎が発症した場合には、肺がんなどの悪性腫瘍の検索が必要(傍腫瘍症候群の可能性)。




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