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強皮症の臓器障害

2019-04-05 | 勉強会
 
皆さん、こんにちは。
 
 
今回は全身性強皮症における臓器障害についてみてみましょう。
 


消化管:  

病変は全消化管に及び、特に食道は80%に病変を認める。

下部食道の蠕動低下、拡張や狭窄などがあり、逆流性食道炎などを合併しやすい。

腸管の機能低下により慢性の下痢や便秘、腹部膨満感などがみられ、またまれではあるが偽性腸閉塞や結節性多発動脈炎などを合併することもある。



呼吸器:  

本症は70~80%で肺病変がみられ、肺線維症が多く肺高血圧症も合併し、予後と大いに関係する。



循環器:  

肺性心、心筋線維化、心外膜炎、不整脈などを合併し、肺性心や心筋線維化が疑われる症例は予後不良である。



腎臓:  

強皮症腎クリーゼが有名で、悪性高血圧症を呈することが多く、短期間で腎不全が進行することが多く、早期診断、ACE阻害薬による早期治療が重要である。



肝臓:  

CREST症候群では、原発性胆汁うっ滞性胆管炎の合併頻度が高いことが報告されている。

日本ではまれ。



神経系:  

まれに三叉神経障害、多発性単神経炎などを合併。



診断は主として下記が重要:

①手指あるいは足趾に限局する皮膚硬化

②手指先端の陥凹性瘢痕あるいは指腹の萎縮

③両側下肺野の肺線維症




写真 上野公園

 

 

 

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