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糞線虫症

2019-02-25 | 勉強会

みなさん、こんにちは。
 
 
糞線虫症は従来九州南部、奄美大島、沖縄に多いですが、交通の発達した昨今、世界のどの地域でも遭遇します。



多くは無症状または軽微な消化器症状を呈するのみですが、自家感染という特性をもつため、長期にわたり寄生状態を維持することがあります。



宿主の抵抗力が低下した際(成人T細胞白血病、エイズ、ステロイド、免疫抑制剤、大酒など)、一種の日和見感染として多数の虫体が血行性に全身に散布されます(播種性糞線虫症)。



その際、腸内細菌(大腸菌、クレブシェラなど)による敗血症、髄膜炎、肺炎を併発し重篤となることがあります。



原因不明のやせ、下痢、イレウス、また腸内細菌による髄膜炎、肺炎および感染病巣不明の敗血症をみた際には、糞線虫症を一度は疑いたいです。



糞線虫は、便、胃・十二指腸液、喀痰、尿、腹水、髄液、皮膚出血斑部の生検などから検出可能です。


特に、前3検体の検索はベッドサイドで行うことができます。


血中好酸球が上昇するとは限りません。




写真 恩納村の風景

 

 

 

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