糖尿病の患者さんが感染症などによる発熱、嘔吐、下痢をきたし、また食思不振のため食事摂取ができない日にちをシックデイと呼びます。
シックデイの際には高血糖・ケトアシドーシスまたは低血糖などのリスクがあります。
これらの急性合併症を回避するための特別な対応が必要となります。
ピットフォールは、インスリン自己注射をしている患者さんが、食事 . . . 本文を読む
糖尿病患者さんでは感染というストレスにより血糖が上昇し、その高血糖がさらに感染症を増悪させる悪循環となります。
そのため、抗菌薬などの感染症治療に併行して、血糖をコントロールすることで悪循環を断つ必要があります。
普段は経口血糖降下薬の内服加療を受けている患者さんでも、重症化した場合の感染時にはインスリン療法に切り替える方がよいとされています。
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糖尿病は免疫低下状態なのだから、細菌感染症疑いの初期抗菌薬選択では広域スペクトラムな抗菌薬を選択した方がよいのか?という質問をよく受けます。
確かに糖尿病のコントロールが悪いと細胞性免疫の低下状態になる。
下記のようなネモニクス(記憶法)もあります。
LLMNSS
Listeria
Legionella
Mycoba . . . 本文を読む
ムコール菌による真菌感染症の一種です。
典型的ケースは糖尿病性ケトアシドーシスに合併する場合です。
鼻や口蓋の侵襲性壊死性病変が生じます。
血性鼻汁や眼球発赤などを呈します。
壊死が急速進行性に拡大して脳を侵すと、海綿静脈洞血栓症や中枢神経病変(眼球運動障害、失語、半身運動麻痺など)を引き起こすことがあります。
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糖尿病の高齢者にみられます。
難治性外耳道炎が進行性に周囲に波及します。
髄膜炎・脳炎や敗血症を合併することもあります。
持続性の強い耳痛、悪臭を帯びた膿性耳漏、外耳道の肉芽組織が特徴です。
耳の診察は重要です。
画像診断では、側頭骨や中耳の異常所見がみられます。
膿と血液の細菌培養を . . . 本文を読む
通常の胆嚢炎が女性に多いのに対して気腫性胆嚢炎は男性に比較的多くみられます。
2/3以上の高率で壊疽性となり穿孔率・死亡率も高い病気です。
通常、腹痛を主訴とし、バイタルサインの異常を呈します。
マーフィー徴候に加えて、筋性防御や打診圧痛などの急性腹症の局所身体所見を認めることが多いですが、無痛性で局所身体所見を認めないこともあります。
いわゆる、 . . . 本文を読む
腎実質・腎被膜下にガス産生を伴う壊死性炎症。
細菌の発酵で生じる炭酸ガスにより気腫を認めます。
診断では、通常の尿路感染症のための検尿、尿グラム染色、尿培養、血液培養に加えて、画像検査も実施します。
腹部単純X線検査やCTスキャンで膀胱・腎盂尿管にガス像がみられます。
気腫像の確認では、CTスキャンの方がよりわかりやすいでしょう。
主な . . . 本文を読む
壊死性筋膜炎ともいいます。
皮下組織および浅層筋膜の急性細菌性炎症。
40歳以上の中高年に多いです。
四肢や陰部に好発します。
限局性の発赤腫脹から始まり急速に進行します。
1〜3日のうちに紫斑、水疱、潰瘍を生じます。
進行とともに患部の知覚が低下します。
. . . 本文を読む
血糖が高くなると免疫機構の障害がみられます。
高血糖は細胞性免疫を低下させるだけでなく、好中球貪食能、細胞内殺菌能、オプソニン活性を低下させます。
血糖コントロールが不良なほど易感染性が高まる傾向になりますが、好中球貪食能については血糖値が250mg/dl以上になると低下します。
末梢神経障害による知覚鈍麻で自覚症状がないまま感 . . . 本文を読む
今回から新シリーズです。ではどうぞ。
糖尿病は生活習慣病のひとつとして日常診療でよくみる疾患であり、日本においてその有病率は増加傾向にあります。
血糖コントロール不良の糖尿病患者さんは感染症に罹患しやすく重症化しやすい。
糖尿病患者さんは肺炎や結核、尿路感染症など一般的な感染症に罹患しやすくなります。
また、それ以外に特異的な感染症があることも知ってお . . . 本文を読む