今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

おんぶの日

2010-02-02 | 記念日
日本記念日協会の今日・2月2日の記念日に「おんぶの日 」があった。
由来は、”従来のものよりも楽に子どもをおんぶできるひもを製作した横浜市在住の母親が制定した”そうで、”2月の2は、おんぶしている親をあらわし、2日の2は、おんぶされている子の姿に見たてているとともに、親も子もニコニコと笑顔でとの願いも込められている。 ”のだとか。
ねんねこ しゃっしゃりませ
寝た子の かわいさ
起きて 泣く子の
ねんころろ つらにくさ
ねんころろん ねんころろん
「中国地方の子守唄」
この歌は、岡山県の西南部に伝わる民謡で、日本で広く知られた子守唄のひとつである。
井原市高屋町が発祥の地とされ、この付近に伝わる古い子守歌を山田耕筰が編作したものがよく知られている。
2000(平成12)年に設立されたNPO法人日本子守唄協会が、日本中で唄われている子守唄の保存・紹介をしているが、その中にこの歌も紹介されている。歌の解説を見ると、“この地方の子守唄を、山田耕筰が独唱曲として編曲したきっかけは声楽家の上野耐之が山田に母親が歌っていた「井原の子守唄」を披露したことで、その時の唄はクリスチャンであった上野の母の影響を受け、賛美歌風のものであったと考えられている。井原市には「元歌保存会」もあり、賛美歌を歌う人々によって伝承されている。内容的には「井原の子守唄」の原型をそのまま残し、近畿や中国地方に多く見られる、宮参りをして子どもの幸せを願うというタイプの唄になっている。”・・・とある。井原市には「元歌保存会」もあり、賛美歌を歌う人々によって伝承されているというが、それがどんなメロディーのものであるかは良く知らないが、以下参考の※:「『中国地方の子守唄』発祥の井原市」には、そのMIDIもあるのでそれがそうだろうか?参照されるとよい。
それとは別に以下では、良く知られているこの曲が聴けるので聞いてみるとそれぞれ、独特の違った味がある。以下①~③中の①の合唱曲は元歌に近い歌い方なのだろうか?又、②は私の好きな俳優吉永小百合の歌でこれもなかなか味があるが、③は白鳥英美子(旧姓山室)の歌である。芥川澄夫とコンビを組んで、トワ・エ・モワを結成し、紅白歌合戦にも3回出場していた白鳥英美子(旧姓山室)は、1973年にグループを解散した後、音楽仲間である白鳥と結婚後、音楽活動から離れて1975年にアメリカへ渡っていた時期があったが、そんな彼女がたまたまステージで歌ってみないかと言われて、丁度、お腹に子供が居る時期であったので、アメリカ人ばかりの聴衆を前にギターを弾きながら日本語で「中国地方の子守唄」を唄ったら、聴衆が感動してシーンとして聞き入っていたという。それを見て彼女自身唄の力に感じ入り、又、歌の世界へカムバックしたという。③の画像は、2003年のものらしいが、インタビューに応じてそのような事情を語った後、バイオリン演奏をバックにギターを引きながら唄っている。唄も良いがバイオリンの曲も素晴らしい。吉永小百合もよいが、私的にはこの歌が一番好きだ。
①中国地方の子守歌 故郷 男声合唱 (男性コーラス、YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=bypz6S9wg3k
②中国地方の子守唄 吉永小百合(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=aRbpGYUZXTE&feature=related
③中国地方の子守唄 白鳥英美子(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=4zyQIK8TwuM&feature=related
日本人は、昔からあかちゅんを「だっこ」したり、「おんぶ」して子育てをしてきたものだ。そして、どこへ行くにも、おんぶして、今のような寒い冬などには、子供を負ぶってその上からねんねこ半纏などを着て出かけたものである。赤ちゃんは直接母親と接し、「ねんねこ」の中で温かい母親の体温に包まれて、育ったものだが、最近は、母親はおめかしし、赤ちゃんはベビーカーに乗せて、楽々と連れ歩くのが主流になっているようだ。
「ねんねんころりよ」で始まる日本の「江戸子守唄」は、江戸時代より代々受け継がれてきた歴史の長い唄であり、このような子守唄を歌いながら子供を育てるのはその子の実の母親を思い浮かべるものだが、日本の古い子守唄には、母親が子供を寝かしつけるのに歌うものではなく、子守奉公のあった時代に、幼くして故郷を離れた子守り娘(守子)などが歌ったもの(子守唄というより守子唄というべきである)も多い。これら守子唄は彼女ら守子が自分の不遇を嘆いて歌った唄であることから、子供を生んだ母親が唄ったものよりも歌詞も曲調も暗いものとなりがちであり、中には恨みをぶちまけたり(備考)、世間を辛辣に皮肉ったものなども散見する。つまり、子守唄と守子唄は性質の異なる唄と言えるであろう。子守歌のことについては、以下参考の※:「子守唄研究室」など参照されると良い。
それでは、「中国地方の子守唄」の原型は「井原の子守唄」と言うのだが、その井原の子守唄の歌詞はどんなものだろう。日本子守唄協会の県別分類「岡山の子守唄」の中に「中国地方の子守唄」の原型とされる井原市の「ねんねこさっしゃりませ」 がある。以下参照。
「ねんねこさっしゃりませ」-井原市
http://www.komoriuta.jp/ar/A06083101.html
この唄には、「ねんねこさっしゃりませ 寝た子のかわいさ」・・・に続いて・・・寝させようと思うのに寝ずに「おきてなくこのつらにくさ」、つらのにくいこは、「まな板のせて青菜のようにじょきじょきと」・・・と、恐い内容だね~。この唄は、一応分類上「寝させ唄」とされているようだが、私には、「守子唄」としか思えない。少し、詳しく知りたいと検索すると、以下参考の※:「路傍の詩・193」に、備後(広島県東部)向島町立花集落に、“高屋町のような「つらにくさ」や「ねんころろん」がなく、旋律はもっと素朴で異なる歌があり、この唄には、子守唄に子守りの辛さはあっても、赤ん坊や幼時への恨みつらみがなく、この唄が備中(岡山県西部)高屋地方で唄われた子守唄のルーツ(元唄)だろうと推測している。以下参照。
ねんねこしゃっしゃりましゃ-御調郡向島町立花
http://www.komoriuta.jp/ar/A06091102.html
この唄を聴くと、私もそのように思うが、そうすると、先に紹介した吉永小百合が歌っている②の「中国地方の子守唄」が、元唄に近い唄なのかもしれないね~。彼女は、ボランティアで原爆詩の朗読などの平和活動などしており(以下参考の※:「原爆詩朗読続ける吉永小百合|NIKKEI NET 日経WagaMaga」参照)、この地方のことはよく知っていて、元唄に近いものを唄っているのかも・・・。
「おんぶの日」の話が子守歌の話になってしまったが、子守唄は、子供を抱いたり、おんぶしたりして、子供を揺すりながらゆっくりしたリズムの歌を唄ったものが多い。
しかし、最近は余り見かけなくなった、「おんぶ」や「だっこ」。
人に頼ること、特に入費を人に頼ることを例えて、「おんぶにだっこ」・・・などと言ったりもするが、広辞苑にもあるように、「おんぶ」は「負」(オブウの転)。幼児語で、背負うことをいう。「だっこ」は字の如く「抱く」ことであるが、赤ちゃんは、母親にすべてを委ねて幼時を育つ。
赤ちゃんを身にまとい育てる、「おんぶ」や「だっこ」をして育てる方法は、単に実用的であるという事実のほかにも子供の情緒発育にとても良いという研究があり、最近見直されているそうだ。
以下参考似の※:「北極しろくま堂HP」に対談「抱かれる子どもはよい子に育つ」が掲載されているが、そこで、“「人間は1年早産だ」・・・と、人類学者、動物学者は皆そう言っている。生まれて直ぐ歩かないのは人間だけ。早産だから余計に初期は過保護にすべきだ。母親の子宮の中と同じ状況を3ヶ月や半年は徹底的に与えないといけない。そうでないと幼弱すぎて自信もなくて過剰なストレスや外からの圧力に赤ちゃんは耐えきれないのだ」・・・といっている。生まれて半年くらいまでの子は、「おんぶ」や「だっこ」をして育ててやると、その圧力や動くと揺れることによって、その環境が「子宮の中」と似ていることから、母親の子宮の中に居た時の「安心で快い感覚」を思い出すのだという。それを赤ちゃんは愛情だと感じるのだそうだ。その意味で、「スリング」(だっこひも)などは、赤ちゃんにとって、とても良いものだそうだ。
母親が子供の成長を願いながら唄う子守歌には、白鳥英美子さんが日本語でアメリカ人の前で歌ったにもかかわらず、アメリカ人の心をうったと言われるように、日本の子守唄の旋律には、人の心の一番深い所に触れ、人をしんみりとさせる働きがある。
NPO法人日本子守唄協会の事業目的の中でも書かれているように、子守歌は、幼児たちの「産まれてはじめて聴く唄」「抱擁の唄」「親と子がお互いに絆を確かめる唄」であり、子守歌を歌うことは「三つ子の魂、百まで」の言葉の通り、幼児の心の中に残る大切な情操教育のあるべき形であるかもしれない。
幼児期の成長過程における情緒の形成の重要性は、近年、医学的にも確認されており、子守唄を通しての親子の絆が情緒の形成に大きく貢献するものと期待されており、そのために、子守歌を広めて行きたいとしている。
3歳4歳頃まで小さいうちは余り子供を甘やかして育てるのはよくないと言われているのだが、生まれたばかりの幼児期は、逆に「おんぶ」して「だっこ」して、おもいっきりは親が接触して、愛情いっぱいに子守歌を歌いながら育ててやるのが良い様ですね。
(画像は、数字の2と2を重ねるとおんぶした形に見える)
※:NPO法人日本子守唄協会
http://www.komoriuta.jp/ar/A05071603.html
※:子守唄研究室
http://komoriuta.cside.com/index.html
※:路傍の詩・193
http://www.bes.ne.jp/forum/bingoohrai/robouta/old/193/index.html
※:北極しろくま堂HP
http://www.babywearing.jp/
※:『中国地方の子守唄』発祥の井原市
http://www.city.ibara.okayama.jp/komoriuta/index.html
※:原爆詩朗読続ける吉永小百合|NIKKEI NET 日経WagaMaga
http://waga.nikkei.co.jp/work/npo.aspx?i=MMWAj2000005082008
おんぶ育児の会
http://www.geocities.jp/onbuikujinokai/index.html
さと式 子育て(昔ながらの育児法)
http://plaza.rakuten.co.jp/tanosiikosodate/
子守唄- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%90%E5%AE%88%E5%94%84
白鳥英美子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%B3%A5%E8%8B%B1%E7%BE%8E%E5%AD%90
吉永小百合 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88
昔ながらのおんぶひも
http://www.lucky-baby.co.jp/products/himo/index.html?OVRAW=%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%B6&OVKEY=%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%B6&OVMTC=standard&OVADID=8836787041&OVKWID=76519632041